米国の裁判所は、ユニバーサルエンターテインメントとアルゼゲーミングおよび岡田和生氏の間で2018年から続いてきた訴訟を、一旦中断すると決めました。これは、アルゼゲーミングが現地でChapter11――連邦破産法11条にもとづく手続きに入ったことを受けた措置です。
アルゼゲーミングは2023年2月に入ってすぐ手続きに入っていました。詳しくは下記の記事をご覧ください。
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岡田和生氏率いるアルゼゲーミング社が米国で連邦破産法11条の適用を申請
ユニバーサルエンターテインメントと法廷闘争を繰り広げていたアルゼゲーミング社が、米国でChapter11――連邦破産法11条にもとづく手続きに入ったと報告しました。米国のChapter11は会社の再建 ...
裁判所から出たアナウンスの概要
- 法律上、債務者が破産のための申し立てをした場合、「債務者に対する司法、行政、その他の措置または手続きの継続」は中断すると定めている
- したがって、本件訴訟はアルゼゲーミングの手続きが済むまで中断するとここに命ずる
- 予定していた審問はすべて取り消し、保留中だった申し立ては予断を持たず却下する
- 当事者は本件訴訟の中断が解除され次第、申し立てを再提出できる

画像はアルゼゲーミングの破産通知書面。2023年3月9日に債権者集会を予定していることがわかる。
この訴訟では、2023年10月ごろまでの大まかなスケジュールが決まっていたほか、本来なら来たる3月に岡田和生のデポジション(=原告、被告双方の弁護士が立ち会って、訴訟の関係者から話を聞く「証言録取」)を予定していました。
従来予定していた訴訟のスケジュールについては、下記の記事で取り上げています。
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【情報メモ】特許侵害をめぐる米国の法廷闘争 今後の見通しは
特許侵害をめぐって、2018年からユニバーサルエンターテインメントとアルゼゲーミングアメリカが争う訴訟は、ようやく後半戦といった雰囲気です。米国ネバダ州の裁判所は、2022年4月18日付けで最新のスケ ...
2018年から続いている米国の訴訟(※リンク先の訴訟(a))。来る3月に、岡田和生のデポジションを実施するんですと。 https://t.co/ADVXkCxDkm
— ジェロム・レ・パンダ (@JLePanda) January 27, 2023
しかし、当然これも一旦見合わせになります。
ひょっとしたらアルゼゲーミング社がChapter11の手続きをとったのは、岡田和生氏が自分のデポジションを先延ばしするためでもあったのかもしれません。
実際、岡田和生氏はこれまでさまざまな国において、ありとあらゆる手段で訴訟の進行を妨げてきました。この点については、岡田和生氏が未払いにしている弁護士報酬の回収に注力するBartlitbeck法律事務所も、次のように言及しています。
To date, through expensive and burdensome collection efforts overseas, Bartlit Beck has been able to collect only $392,377.31 of the $63,369,610.52 Mr. Okada owes. The sum Bartlit Beck has been able to collect so far has been eclipsed by legal fees and other costs Bartlit Beck has expended in its collection efforts, in significant part because of the litany of delay tactics that Mr. Okada has deployed in this case and other proceedings.
意訳:Bartlit Beckは現在までに、岡田氏が支払うべき63,369,610.52米ドルのうち392,377.31米ドルは回収できました。Bartlit Beckがこれまでに回収できた金額は、Bartlit Beck自ら回収努力のために費やした弁護士費用およびその他の費用で相殺されています。これは、この訴訟およびその他の訴訟手続きで、岡田氏によって展開されてきた数々の遅延戦術が主な原因です。
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