訴訟と捜査の現場から

岡田和生氏が土壇場で一矢報いる フィリピンの逮捕状に取り消し命令

2019年1月4日付けでフィリピンの当局が岡田和生氏に出していた逮捕状。これに、このたび取り消し命令が出ました。命令を下した控訴裁判所は、岡田和生氏を罪に問わないとしています。

横領に端を発した逮捕状

逮捕状は、ユニバーサルエンターテインメントの関係会社であり、フィリピンにおいてIRリゾート・オカダマニラの運営を手がけるTiger Resort Leisure Entertainment社(TRLEI)からの刑事告訴がきっかけになって出ていたものです。

同社は、岡田和生氏が当時の最高執行責任者・臼井孝裕氏と共謀し、社内で合計およそ310万米ドルの横領を働いたとして、ふたりを2017年に職務から解任したのち刑事告訴。これを受けた司法省が、2018年の終わりにこの件を事件性ありと最終判断したことから、起訴状および逮捕状の発行に至った――というのがこれまでの流れです。

裁判所が手のひらを返した理由は判然とせず

現地の報道によれば、このたびの命令を下した控訴裁判所は、岡田和生氏と臼井孝裕氏に出ていた逮捕状を取り消し、ふたりを不問にした理由について、「起訴する正当な理由がないことを示す記録がある」「それにもかかわらず、逮捕状が出た」「これは重大な裁量権の乱用」といった説明をしています。

下記はこのたび出た命令を報じる記事の一例です。裁判所の命令は、2021年12月9日付けで出ていました。

https://mb.com.ph/2022/01/09/ca-reverses-rtc-junks-estafa-charges-vs-japanese-gaming-mogul-kazuo-okada/
https://mb.com.ph/2022/01/09/ca-reverses-rtc-junks-estafa-charges-vs-japanese-gaming-mogul-kazuo-okada/

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しかし、こうした説明にはどうにも違和感をおぼえます。なぜなら、ふたりの起訴と逮捕が決まった当時、司法省は、岡田和生氏に渡った資金がTiger Resort Leisure and Entertainment社の内規に違反としていると指摘し、この点を「資金が適切に処理されなかったと信じるに足る理由」としていたためです。

控訴裁判所は、何をもってこうした当初の見立てを退けたのか? この点は、今般報道された内容を確認しても判然としません。

過去にもひと悶着

思い起こせば、この件については過去にもすったもんだがありました。刑事告訴についての結論が公になる直前だった2018年5月に、なぜか岡田和生氏に近い関係者から、刑事告訴への結論をつづった公文書が流出する――こんな事件があったのです。

問題の公文書は、当局が当該書面を公にする数日前、Instagramに投稿されていました。このときは結局、岡田和生氏の周辺と司法当局の癒着が疑われて再捜査となり、のちに起訴状と逮捕状という結論になりました。

公文書を巡る不可解 岡田和生氏周辺が関与?

ユニバーサルエンターテインメント(UE社)の関係会社であり、フィリピンにおいて統合型リゾート「Okada Manila」を運営するTiger Resort Leisure & Entertai ...

こうした過去の経緯をふまえれば、今回も何か裏工作のようなことがあって、それが奏功したのではないかと勘ぐりたくもなります。……もっとも、いまのところは調べる手立てがありませんけれど。

なお、本件については今後も民事訴訟を通じてなら、岡田和生氏に賠償を請求できると考えられますが、実際のところユニバーサルエンターテインメントグループがどう動くかはまだわかりません。


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