訴訟と捜査の現場から

最高裁判所が結論 損害賠償請求訴訟は岡田和生氏の敗訴に終わる

ユニバーサルエンターテインメントグループで繰り返されてきた不正の責任は誰にあるのか? こんな問題をめぐって2017年から長らく続いてきた訴訟に、ようやく終止符が打たれました。

この記事のあらすじ

  • ユニバーサルエンターテインメントと岡田和生氏の間で続いてきた訴訟が決着
  • 一審で出ていた判決が確定し、岡田和生氏は敗訴した

日本の司法は「不正の責任は岡田和生にある」と判断

このたび最終的な結論が出たのは、こちらの訴訟です。

損害賠償請求訴訟のまとめ
※情報は原審に基づく
状況 管轄の裁判所
原告の勝訴で決着 東京地裁→東京高裁→最高裁判所
原告 被告
ユニバーサルエンターテインメント 岡田和生
内容の説明
原告・ユニバーサルエンターテインメントは、社内調査で発覚した不正行為3件の原因がいずれも岡田和生氏にあるとして、損害(※不正の調査にかかった費用)を賠償するよう求めてきた。リンク先の訴訟(あ)に該当。

日本の最高裁は、2021年9月14日に岡田和生氏の上告を棄却することで、この訴訟に決着をつけました。この日の決定でもって、被告にあたる岡田和生氏から、原告・ユニバーサルエンターテインメントに対して2000万円超の賠償金を支払うよう命じていた一審判決が確定したことになります。

賠償金より痛手になるモノ

さて、庶民からすれば2000万円超の賠償金というのは大きなものですが、岡田和生氏にとってみればそれほど大きなものではありません。氏が素直に支払いに応じるかどうかはともかく、支払いに苦慮する金額ではないでしょう。

それより、岡田和生氏にとって不都合だと考えられるのは、この裁判を通して訴えてきた主張がまったく通用しなかったことのほうです。

氏はこれまで、ユニバーサルエンターテインメントグループで発覚した各種の不正について、「それらは部下が勝手にやっていたこと」「自分は責任を問われる立場にない」と主張してきました。しかし、結局はこのザマです。司法の場で検証してみれば、すべては言い逃れに過ぎないとわかる話だったのです。

岡田和生氏の主張が事実上、独りよがりのたわごとでしかないとはっきりしたいま、ここから氏を待っているのはシビアな現実です。なぜなら氏は、現在係属中にある多くの訴訟において、同じ主張を用いて反論してきたのですから。

とりわけ影響がわかりやすいのは、次の訴訟でしょう。

訴訟(う) 状況
株主代表訴訟 係争中
原告 被告
個人株主X 岡田和生
概要など
ユニバーサルエンターテインメントの株主が、同社グループで発覚した不正3件に関連して提起した訴訟。原告株主は、当初ユニバーサルエンターテインメントの関係者複数名を被告として並べていたが、最終的には被告を岡田和生氏ひとりにしぼった。この訴訟では、「岡田和生が取締役としての職責を果たしていたか」が最大の焦点になっている。リンク先の訴訟(う)に該当。

このなかでは、ユニバーサルエンターテインメントの株主が、同社グループで発覚した不正3件に関して岡田和生氏を追及しています。つまり、今般最高裁から結論が出た訴訟と、内容はそう変わりないのです。岡田和生氏に勝ち目がないことは、もはや誰が見ても明らかでしょう。

なお、この株主代表訴訟についてはすでに結審しており、2021年11月に一審判決が出る予定になっています。






半ケツの神さま

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