「岡田和生が、Bartlit Beck法律事務所に対して5000万ドルの債務を抱えているのは間違いない」。海の向こう、米国・イリノイ州の裁判所で、2021年3月12日にこんな審判が下りました。
この記事のあらすじ
- 岡田和生氏が米国の法律事務所とトラブルになっている
- 裁判所はこのトラブルに関して、岡田和生氏に5000万米ドルの支払い責任があると結論づけた
法曹界に難癖つけた岡田和生氏が立て続けに完敗を重ねる
何が起きているかといえば、弁護士報酬をめぐるトラブルです。2017年12月に現地の著名法律事務所・Bartlit Beckと岡田和生氏の両者が弁護士契約を結び、業務の対価について「60万米ドルの月額報酬+最大5000万米ドルの成功報酬」という内訳で合意していたものの、この一部が支払われていないのです。
岡田和生氏からBartlit Beckに弁護を依頼した訴訟は、契約のあとおよそ3ヶ月で終結しています。ところが、Bartlit Beckによれば、この訴訟で成功報酬の条件を満たしたにもかかわらず、岡田和生氏はその支払いを拒んできた、というのがこれまでの経緯です。
しかも、この件については別途仲裁(※)のプロセスを経て、そこで仲裁人から「岡田和生は債務を履行していない(=契約違反)」という判断が出たこともわかっています。つまり、岡田和生氏はこういった第三者の判断すら聞き入れないまま、再三にわたって今日まで弁護士報酬の支払いを固辞してきたわけです。いやはや図太い。
「仲裁」とは?
このたび出た裁判所の審判まで、どんな順序で何が起きてきたか。少々複雑な経緯をひとまとめにすると、次のようなタイムラインになります。
Bartlit Beck法律事務所と岡田和生氏の経緯

岡田和生氏が米国で抱えている訴訟については、こちらの記事で相関図にしています。
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米国でも見抜かれた岡田和生氏のウソ
それにしても、岡田和生氏のなりふりかまわない行動は、米国人が相手になっても相変わらずのようです。今回のケースでは、ここに掲載したタイムラインをご覧いただくとわかるように、「法律事務所との契約は無効」と一方的に宣言して、自分だけ仲裁のプロセスから途中離脱していました。Bartlit Beckと交わした契約では、当事者間に紛争が生じた場合、仲裁で決着をつけると約束していたにもかかわらず、です。
岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメントグループから追放されるきっかけになった事件の調査でも、似たようなことをしています。土壇場でヒアリングをキャンセルし、調査に協力しなかったのです。しかも氏は、ヒアリングに応じなかった件について後日ウソで上塗りしました。
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「人の考えを本当に理解したいなら、彼らの言葉ではなく、行動に注意を払え」――。こんな教えを遺した哲学者が生きた時代は、いまから4世紀近く前になりますが、この言説の妥当性はいまなお何ら変わりないのではな ...
一応本人は、仲裁への参加を放棄するにあたり、もうひとつもっともらしい理由も挙げていました。「病気になってしまい、米国への長旅ができない」と。そして、今般の裁判では仲裁を放棄した当時の病状について証明すべく、主治医による宣誓書と医療記録、それと手紙を提出しています。なんでもこれらによれば、「審問が開始されることになった時点で、被告(※岡田和生氏のこと)は心臓病のために、ベッドで休むことが必要」だったそうです。なるほど、ならばしょうがない……とはなりません。もっともらしい作り話にすぎないのですから。
百聞は一見にしかずです。次のコンテンツをご覧ください。これらは、仲裁への参加を放棄することを告げた日とほぼ変わらない時期に、岡田和生氏がInstagramとFacebookに投稿していたものです。
ご覧のとおり、ここではたしかに、心臓を患ってベッドで休む必要のあった人間が、なぜかせっせとウェイトトレーニングに励んでいます。もはや、これはコントでしょう。
なお、これらの投稿は、裁判のなかでも取り上げられました。そしてその結果、このたびの審判に至ったわけです。当然の結果と言えるかもしれません。
現地の報道によれば、岡田和生氏はこの訴訟についてすでに上訴の手続きを済ませ、引き続き争う姿勢を示しているそうです。
しかし、こうやって氏のウソがあっけなく暴かれたいま、せいぜい徒労に終わるだけのように思えてなりません。素直に自分の過ちを認めて、法律事務所に支払う5000万ドルを用意するのが現実的ではないでしょうか。支払いを先延ばしにしていれば、それだけ利息がふくらむこともあります。
ひょっとしたら、すでにそんな金額が支払えないほど、じつは厳しい財政状態にあるのかもしれませんが。
岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメントグループからも多額の賠償請求を受けています。下記の記事では、氏の懐事情にふれました
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