問題のカギ握るオカダホールディングス

岡田和生氏の次なる一手「子供の株は父のもの」

まさに、あの手この手を用いる考えなのでしょう。岡田和生氏が、このたび香港で新たな訴訟を提起しました。氏の狙いは今回もまた、オカダホールディングス(OHL)の実権にあるようです。ただし、訴えの内容を見ていくと、その論理は強引さが目立つように見えなくもありません。

この記事のあらすじ

  • オカダホールディングスの実権を取り返すため、岡田和生氏が新たな訴訟をはじめた
  • 新たな訴訟のなかでは、「息子が持っている株式はじつは自分のものだ」と主張しているもよう
  • しかしこうした主張を裏付けるような物証は確認できない
  • 岡田和生氏がいまになってこんなことを言いはじめた理由は、ほかにあると考えられる

​「子供の株は、父のもの」​

現地、香港の報道によると、岡田和生氏が訴え出たのは、2019年2月4日のこと。その内容は、息子の知裕氏を相手取って、オカダホールディングスの支配権に異議を唱えるようなものになっています。氏は同様の主張をこれまでもたびたびしてきましたが、ここに執着するのは当然です。オカダホールディングスの取締役に返り咲きさえすれば、ユニバーサルエンターテインメントの経営者として復帰できるのですから。

ユニバーサルエンターテインメントの株式保有割合
【導入3】オカダホールディングスを巡る議決権争い

ユニバーサルエンターテインメント(UE社)の経営云々を語る上で重要なポイントが、その株主構成にあります。同社の発行する全株式のうち68%ほどを保有し、圧倒的な議決権を確保しているのは香港法人オカダホー ...

これまでの訴訟と今回の訴訟で大きく異なるのは、その根拠です。驚くことに、「子供たちの持つ株式は、じつは自分のもの」だから「息子は株式を返還するように」と言い出したのです。

香港の報道から
他指兒子一直以來都只是代他持有家族公司股份,要求法庭頒令兒子股份轉回給他。
意訳彼は、息子がずっと彼の代わりにオカダホールディングスの株式を持っているだけだという。裁判所には、息子の株式を彼に返すよう要求した。

引用元:遭逐出董事局 日彈珠機大王促兒子歸還股份




仮に知裕氏が持つオカダホールディングスの株式を父親に返すとなれば、オカダホールディングスのパワーバランスは即座に、また圧倒的に塗り替わります。狙いがここにあるのは間違いないでしょう。


現地の報道をもとに、氏の根拠や主張を並べていくと、次のようになります。

  • 1990年代初頭から自分の持つ株式の一部を息子と娘の名義に変えた(対価は受け取っていない)
  • 税金と遺産に関連した手続きだった
  • 子供への愛と信頼を表すためだった
  • 将来的に会社の事業を継いでもらう計画もあった
  • 親子の間には暗黙の了解があった
  • 息子と娘は名目上、株式を保有しているだけ

訴状があるわけではないため、言いぶんの妥当性を細かに論じるつもりはありません。しかしそれでもひっかかるのは、岡田和生氏が子供と何かしらの取り決めをしたと主張しているようであるものの、約束事が書面として残っているわけではない、ということ。

それにそもそも、いまになってこんな主張をはじめたこと、その点からして不可解です。氏が主張するように、息子と娘の持つ株式は父親のものだというのであれば、オカダホールディングスの取締役を解任された直後にそう主張できたはずです。ところが、そうはしてこなかった。どうも腑に落ちません。



​「the estranged wife」?


岡田和生氏は、なぜ、いまになってこんな主張をしはじめたのか? その点について考えるため、ご覧いただきたいのが次の記事です。
​​

Kazuo Okada receives bad news from all angles - CalvinAyre.com
Kazuo Okada receives bad news from all angles - CalvinAyre.com

Kazuo Okada can’t seem to catch the break he believes he deserves.

続きを見る

2つの記事は異なるニュースサイトから発信されたものですが、同じトピックに関して同じ表現を使っているという共通点があります。当該トピックは、ユニバーサルエンターテインメントの関係会社で新たに選任された役員に、Takako Okada(=岡田幸子)氏が名を連ねたという話。共通した表現とは、彼女にくっついた「estranged wife」なるワードです。なお、念のためおさらいしておきますと、彼女は岡田和生氏の妻でもある女性です。

先の表現の意味するところは、わかりません。ただ、上記のツイートにある通りであったとしても、そう不思議なことでないとは言えます。彼女は2017年5月23日の取締役会で、岡田和生氏の提案したストックオプションの話に反対票を投じていましたし、

2017年5月23日の取締役会から
「賛成したのは岡田氏側近の取締役1人だけ。富士本淳社長ら残る5人は反対に挙手をした。取締役のうちの1人は岡田氏の妻だが、同じように反対に手を挙げた。」

引用元:「全員、罷免だ」パチスロ創業者会長が取締役会で叫んだ

そののちの2017年5月31日の取締役会では、岡田和生氏を除外した取締役選任議案に賛成票を投じてもいました。

2017年5月31日の取締役会から
「取締役から議案への質問は出ず、採決が行われた。結果は「賛成6、反対ゼロ」。側近だった取締役と、岡田氏の妻も賛成した。欠席した岡田氏以外の6人全員が岡田氏の“解任”に賛成だった」

引用元:「創業者会長に指示された」側近取締役が反旗を翻した

あとは、過去にフィリピンで起きた公文書流出の件に絡んで、こんな報道がされたこともあります。​

新聞報道から
City Prosecutor Amerhassan Paudac was accused of bias and gross partiality by the family of Kazuo Okada after a resolution yet to be officially released by Paudac’s office was posted last week in the Instagram and Facebook accounts of Chloe Kim, known to be Okada’s Korean lover.
意訳クロエ・キムは、岡田の韓国人恋人として知られている。

引用元:Japanese tycoon’s lover puts fiscal in trouble)

ふたりの間柄について詮索するようなことがしたいわけではないので、多くは語りません。指摘したいのは、シンプルにひとつだけ。岡田和生氏は、自身の財産が半減する可能性を認識しているのかもしれない、ということです。

仮にそうであるならば、氏が手をこまねいたままでいたらどうなるでしょう? 先の円グラフは、氏にとってどんな形になると考えますか?







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