遊技機メーカーとして知られるユニバーサルエンターテインメント社と、その創業者である岡田和生氏に関わる一連のトピックを追いかけております。 ​

ユニバーサルエンターテインメントの経営騒動に潜む闇

渦中のユニバーサルエンターテインメント

【深堀り】「オカダマニラ上場」――この計画は結実なるか?(1)

2021年になってから、ユニバーサルエンターテインメントは経営戦略の分野において大きなプランを公表した。同社グループがフィリピンで運営するIRリゾート「オカダマニラ」の事業を、米国の証券取引所に上場させるのだという。この記事では、ユニバーサルエンターテインメントの動向を数年に渡って考察してきた立場から、この上場プランについていくつかの見解をつづってみる。

ニューヨーク証券取引所

「2021年度中の上場を目指す」

ユニバーサルエンターテインメントが公表したリリースによれば、オカダマニラの上場は2021年度内の実現を目指すのだという。同社グループは毎年1-12月をひとつの事業年度にしているから、ここでいう「2021年度」というのは、おそらく2021年12月までのこと。つまり、残る時間は1年にも満たない。果たして、この計画は実現できるのか?

結論からいえば、ハードルはそう高くない、と考えられる。というのも、オカダマニラの上場は、一般的な株式公開の手順を踏むわけではなく、すでに米国の証券取引所に上場している「SPAC」なる会社と一緒になることを前提にしているためだ。

未上場企業がSPACを介して上場する利点のひとつは、一般的な株式公開に比べて、短い期間で上場までこぎつけられる点にある。一般的な株式公開では準備や手続きに2~3年かかるところ、SPACを介した上場だと、その期間は3~6ヶ月ほどで済むのだ。こうした実態をふまえれば、ユニバーサルエンターテインメントが公表した「2021年度中に上場を目指す」という方針も、決して無理な話ではないと言えるだろう。

SPACを介した上場手続きのイメージ

そもそもSPACとは?

SPACとは、日本語になおすと「特別買収目的会社」という意味の略語。これらの会社はその名のとおり、未上場企業を買収(あるいは未上場と合併)する目的で設立されたものであり、そのためだけに資金を調達して、上場している。自社の事業をもたないことから、「シェル(=貝殻)カンパニー)」とも例えられる。

SPAC設立から上場までのイメージ

※スポンサーと一般投資家の違いや、ワラントについて詳しく知りたい方はこちらを参照

「SPAC最有力大手数社」から引き合い

SPACを介した手続きでは、必要な工程が限られるぶん、短期間で上場できるとしても、オカダマニラに関心を示すSPACがいなければ、これらは机上の空論にすぎない。そう考える人もいるかもしれない。しかし、そういった懸念は杞憂と言えそうだ。ユニバーサルエンターテインメントは、すでに複数のSPACからオファーがあったことを明らかにしている

また、2021年3月29日に開催した株主総会では、富士本淳社長から「SPAC最有力大手数社から話をもらっている」との言葉もあった。ここでいう「最有力」という定義ははっきりしないものの、これらを言葉通りに受けとれば、少なくとも「上場したくても相手が見つからない」という状況にないことは明白だ。

いまごろ水面下で進められているであろう、デューデリジェンス(=SPACが対象事業を精査すること)に進展が見られれば、上場までに必要なプロセスはそう多くない。「米国上場」が現実味を帯びてくる日も、そう遠くないではないか。

【参考】米国の証券取引所に上場するSPACの一例

ただ、オカダマニラの場合、他社とは異なるリスクが存在することは無視できない要因かもしれない。それは、岡田和生氏がこの上場手続きに対して横槍を入れてくる可能性だ

実際、これまで岡田和生氏は、オカダマニラの上場手続きに対して妨害行為を繰り返してきた。

(つづく)

シリーズ記事一覧

  1. 「オカダマニラ上場」――この計画は結実なるか?(1)(※当記事)
  2. 「オカダマニラ上場」――この計画は結実なるか?(2)
  3. 「オカダマニラ上場」――この計画は結実なるか?(3)(後日公開)

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