遊技機メーカーとして知られるユニバーサルエンターテインメント社と、その創業者である岡田和生氏に関わる一連のトピックを追いかけております。 ​

ユニバーサルエンターテインメントの経営騒動に潜む闇

岡田和生の現在(いま)と過去

岡田和生グループがオカダマニラを力ずくで奪い取る 実力行使に出た背景には何が?

ずいぶんと強引な手段に打って出たものです。フィリピンでは、2022年5月31日に岡田和生氏の意向をくんだグループが、50人ほどの私設警備員などを連れてオカダマニラを占拠する、といった行動に出ました。まるでヤクザのカチコミ(=敵対する組の事務所を襲撃すること)です。報道によれば、この一団は自分たちの行動が法にのっとった正当なものであることを現地で証明しなかったそうですから、法律面から言えば極めてグレーで、危ない綱渡りをしたように見えます。さて、彼らがここまでの行動に出た背景には何があるのでしょう?

「岡田会長の一団が再びオカダマニラを経営します」?

オカダマニラを占拠した岡田和生グループは、まもなくして次のようなプレスリリースを発信しました。

岡田和生グループが発信したプレスリリース

「The group of Chairman Kazuo Okada is once again managing Okada Manila.」(=「岡田和生会長のグループが再びオカダマニラを経営します」の意)とのくだりからはじまるこのプレスリリースでは、先般フィリピンの最高裁判所から「岡田和生氏がオカダマニラのトップに返り咲くことを認める」ような命令が出ていたことを引き合いに出しつつ、この結果、岡田和生氏はオカダマニラの会長兼CEOに復職した、と説明しています。彼らとしては、自分たちの行動が正当なものだと主張し、知らしめたいのでしょう。

かたや自社グループで運営してきたオカダマニラを乗っ取られたユニバーサルエンターテイメントは、これにすぐさま反論しました。そしてこの反論のなかでは、「岡田和生グループがオカダマニラでやったことは重大な犯罪行為」と指摘しています。

ユニバーサルエンターテイメントの反論要旨

  • 岡田和生氏の指示を受けた人物数名が、違法かつ暴力的にオカダマニラを占拠した
  • この一団には、過去にTRLEIの取締役を務めていたトニー・コアンコ氏(=Antonio Cojuangco氏のこと)と、建築業者のディンド・エスペラータ氏がいた
  • 警官および施設警備員など50名ほどを引き連れていた一団は、TRLEIの役職員数名をオカダマニラから退去させると同時に、主要な従業員を解雇した
  • 彼らの行動を正当化する行政や司法の許可・命令は存在しない
  • これらは不法侵入、営業妨害、不法占拠、窃盗、暴行、傷害、扇動などの犯罪行為であるから、会社として刑事告訴に動く

要約元:TRLEIにて発生した不法占拠等の違法行為に関するお知らせ




事件当日の現場を撮影していた映像では、「Don't touch me!」という声が何度も響きわたるほか、一部の人が連行される様子も収められいます。

こちらの映像では、大勢が小競り合いするなか、日本語で「イタいイタいイタいイタいイタい……」と苦しそうに叫ぶ様子や、人が抱えられていく姿も確認できます。人間同士の衝突があったことは明らかです。現場に暴力がなかったとはとても言えないでしょう。

岡田和生グループが記した奇妙な文言

このたび起きたことを整理すると、岡田和生グループがオカダマニラを占拠したことにより、ユニバーサルエンターテイメントグループがオカダマニラの実務に関与できなくなっている一方で、オカダマニラを運営するTiger Resort Leisure and Entertainment社にとって重要な議決権は、これまで通りユニバーサルエンターテイメントグループにある――といった構図になりますから、状況は複雑です。状況からいって、先行きも不透明だと言わざるをえません。

ユニバーサルエンターテインメントグループの会社組織図01

ただ、足元までの動きで、ひとつ気になったことがあります。それは、岡田和生グループのプレスリリースにあった、次の一文です。

岡田和生グループが発信したプレスリリースから

In April 2022, the Supreme Court of the Philippines issued a “status quo ante” order (SQAO) that recognized Japanese mogul Kazuo Okada as sole representative of Tiger Resort Asia Limited (TRAL) in Tiger Resort Leisure & Entertainment, Inc. (TRLEI), and directed his immediate reinstatement as shareholder, Director, Chairman and CEO of TRLEI.

意訳:フィリピンの最高裁判所は2022年4月に、岡田和生氏をTiger Resort Asia社の代表として認め、Tiger Resort Leisure & Entertainment社の株主、取締役、会長、そしてCEOとして直ちに復職させるよう指示する命令を発しました。

当初2022年5月11日ごろ、最高裁命令の存在を報じた海外メディアがその情報ソースとして提示していたのは、次のようなものでした。

ご覧のとおり、前者にはTiger Resort Asiaに関する言及があるのに、後者にはそれがありません。後者にあるのは、「Tiger Resort Leisure and Entertainment」、つまりフィリピンに所在するオカダマニラの運営会社に関する人事命令だけです。

誤解のないようことわっておくと、岡田和生グループは誤った情報を発信している、なんてことが言いたいわけではありません。いくらなんでも、さすがに命令の内容を改ざんすることまではしないでしょうから。

指摘したいのは、なぜこんな文面になるのか、というところです。

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