岡田和生の現在(いま)と過去

【情報メモ】「オカダマニラ強奪」に動いた主要人物たちの足跡

ユニバーサルエンターテイメントグループによって運営されていたオカダマニラを力づくで実効支配するという、大胆な行動に出た人々の足跡を追うことで、何か見えてくるのではないか――。そんな考えから、当該事件の実行役になったAntonio Cojuangco氏およびDindo Espeleta氏に、岡田和生氏を加えた3人にまつわる出来事をまとめました。

あとあと事件の真相が明らかになったとき、ここで取り上げた出来事が何か大きな意味を持っていたと判明したりすることもあるかもしれません。


2017-12-27
2020-10-02
岡田和生氏からDindo Espereta氏への「裏金」が発覚
香港の裁判所が開示した書面

2017年末にはじまった訴訟に関連して、岡田和生氏が香港の裁判所に書面を提出。これによって、香港の裁判所と、相手方のユニバーサルエンターテインメントグループには、

  • 2016年に岡田和生個人からDindo Espeleta氏およびその関係先・Trans Asia Development Constructionに総額7億5000万フィリピンペソもの資金を送っていたこと

が伝わった。

情報ソース 香港の裁判所が開示した書面
2020-12-XX
TRLEIとDindo Espeleta氏の間で結んでいた契約が終了

これまでオカダマニラの運営会社・Tiger Resort Leisure & EntertainmentとDindo Espeleta氏の間で結んでいた、建設部門に関するアドバイザー契約がこの時期に終了した。


ユニバーサルエンターテイメントによると、Dindo Esplereta氏が建設部門のアドバイザーを務めたのは「2020年11~12月ごろまで」。アドバイザーの契約がこの時期で終了した理由については、「アドバイザリー契約の満了によるものと聞いております」ということであるものの、タイミングからいって、岡田和生氏とDindo Esplereta氏の間で巨額資金のやりとりがあったと発覚したことと関係している可能性も、ぬぐいきれないように見える。

情報ソース ユニバーサルエンターテインメント(IR担当)の説明
2021-01-01
Antonio Cojuangco氏がTRLEIの取締役会メンバーから外れる

数年前から、Tiger Resort Leisure & Entertainmentの取締役としてオカダマニラに関わってきたAntonio Cojuangco氏が、この日以降、同社の取締役会メンバーから外れた。ユニバーサルエンターテインメントによれば、Antonio Cojuangco氏は「任期満了による退任」とのこと。


ただ、この退任が、Dindo Espeleta氏とTRLEIの契約解消とほぼ同じタイミングであり、ふたりがあとになって、一緒にオカダマニラの強奪に動いたことは注目に値するように映る。

情報ソース ユニバーサルエンターテインメント(IR担当)の説明
2021-10-XX
Trans Asia社がTRLEIの関係者たちを刑事告訴

Dindo Espeleta氏がCOO(最高執行責任者)を務める会社であり、またオカダマニラに関する機械・電気・配管・防火工事の元請けだったTrans Asia Construction Development社が、この月にTiger Resort Leisure & Entertainmentの関係者複数名を刑事告訴した。


Trans Asia社が刑事告訴の対象にしたのは、2020年10月ごろからTRLEIの社長に就いたByron Yip氏や、ユニバーサルエンターテインメントの社長・富士本淳氏など、総勢16名。また、ここにはなぜか岡田知裕氏の名前も並んだ。


オカダマニラの米国上場に関連して開示された資料によれば、Trans Asia社は、「改正刑法第315条および316条に違反する行為があった」という理由で、告訴に出たそう。詳細は不明。

情報ソース ユニバーサルエンターテインメント(IR担当)の説明など
2021-12-09
フィリピンの控訴裁判所が岡田和生氏の逮捕状に取消命令
フィリピンの裁判所が開示した書面

ここで裁判所が取り消しを命じたのは、2019年1月4日付けで出ていた逮捕状。この逮捕状は、Tiger Resort Leisure & Entertainmentにおいて岡田和生氏による横領があったとして出ていたもので、この日までは、逮捕状に対して岡田和生氏から複数回にわたって異議申し立てをするなどしても、すべて却下されていた。逮捕状が出てから3年近く経って、ここで取り消し命令に至ったことは、ある意味、突発的事変だったと言える。


裁判所から開示された書面を読む限り、事実として、岡田和生氏がTiger Resort Leisure & Entertainmentの定款を破って、会社の資金をフトコロに入れるようにしていたことは間違いない。


ただ、裁判所は「刑罰法令は、国家に対しては厳格に解釈され、被告人には寛大に解釈されるというルールである」との見解を示している。

2022-02-XX
Trans Asia社から出ていた刑事告訴が却下される

オカダマニラの米国上場に関連して開示された資料によれば、フィリピンの検察官は「時期尚早であり証拠不十分」だとして、2021年10月にTrans Asia Construction Development社から出ていた刑事告訴を、この月に却下したという。

2022-04-06
岡田和生陣営がフィリピンの最高裁判所に申し立て

フィリピンで係属中の訴訟において、この日、岡田和生氏の陣営が新たな申し立てを済ませた。


岡田和生氏は、「Tiger Resort Leisure & EntertainmentのCEOから解任されたのは無効」だとして数年前にこの訴訟を提起したものの、これまで1審と2審いずれでもいいところなく敗訴していた

情報ソース 後日、最高裁から命令が出たことを知らせた報道
2022-04-27
フィリピンの最高裁判所が「岡田和生をCEOに戻すよう」命令

4月頭に岡田和生陣営から出ていた申し立てに応じるようにして、この日、フィリピンの最高裁判所はSQAO(=「Status Quo Ante Order」の略)の発令を通じて、「岡田和生がTiger Resort Leisure and EntertainmentのCEOから解任される前の状態に戻すよう」命じた。これは、事実上、岡田和生氏が同社のCEOから解任されたことを一旦無効にして、氏がCEOに復帰することを認めるもの。


最高裁判所はなぜ、さんざん敗訴を続けてきた岡田和生氏に助け舟を出すように動いたのか? この点についてははっきりとしていない。また、岡田和生陣営の申し立てからたった20日ほどで上記のような命令に至った理由も不明。

2022-05-02
岡田和生陣営が最高裁判所に書簡を送付

4月27日に出た命令(=SQAO)に関連して、岡田和生陣営がこの日、最高裁判所に書簡を送付した。

このなかで岡田和生陣営は、「SQAOを執行するため」という名目で支援を要請。パラニャーケ市の書記官か保安官に対して、最高裁判所から「SQAOの執行に同行するよう指示してほしい」と伝えていた。

情報ソース 後日、最高裁が公表した決議文書
再び岡田和生陣営が最高裁判所に働きかけ

5月2日付けの書簡に続けて、この日再び岡田和生陣営が最高裁判所に「Re: 2022年4月27日付のSQAOの執行について」と題した書面を提出した。先の書簡との違いは、Omnibus Motion(=複数の要求を束ねた申し立て)が一緒になっていたこと。このなかでは次の4項目を要求した。

  • 裁判所の権限で、徳田一取締役などTRLEIの関係者を間接的侮辱罪で起訴すること
  • 岡田和生がTRLEIの事務所、ファイル、記録、文書、その他すべての資産にアクセスし、管理することを許可すること
  • SQAOの執行にあたって、最高裁判所からパラニャーケ市の裁判所書記官事務所に対し、保安官を任命するよう指示すること
  • 保安官には、SQAO の執行にあたって他の合法的な機関(※おそらく地元の警察などを想定)に支援を要請できる権限と、状況が必要とする場合には、強硬的な手段に出られる権限を付与すること



岡田和生陣営としては、最高裁判所からいわばお墨付きを得た上でオカダマニラに乗り込みたかったと考えられる。なお、これらの要求を当の最高裁判所が承認することはなかった。

情報ソース 後日、最高裁が公表した決議文書
2022-05-28
岡田和生氏のアシスタントがSNSに意味深なコメントを投稿
宇佐美貴士氏がSNSに投稿した写真

長らく岡田和生氏のそばでアシスタント役を務めている宇佐美貴士氏が、インターネット上で「私のボスはまだあきらめていない」などと宣言。同時に投稿した写真には、フィリピンの建設会社であり、オカダマニラの基礎工事を担当した、Sta. Elena Construction and Development CorporationのCEO・Alice Eduardo氏と並んだ彼の姿があった。


ちなみに、ここに登場したAlice Eduardo氏は、「土地問題」のなかで登場したFirst Paramount888社の主要な出資者でもある。


宇佐美貴士氏がSNSに投稿した文面

My boss hasn't given up yet. He will return and continue to fight to regain the company.


意訳:私のボスはまだあきらめていない。彼は(フィリピンに)戻ってきて、会社を取り戻すために戦い続けるだろう。

2022-05-31
岡田和生グループがオカダマニラを力づくで奪い取る

この日、フィリピンでは、大勢の私設警備員などを引き連れてオカダマニラに乗り込んできたAntonio Cojuangco氏ら「岡田和生グループ」が、オカダマニラの運営にたずさわるTiger Resort Leisure and Entertainmentの役職員たちを一掃した。


オカダマニラを制圧した岡田和生グループは、こののちプレスリリースを通じて、「岡田和生会長のグループが再びOkada Manilaを経営することになった」と宣言。それと同時に、Antonio Cojuangco氏をオカダマニラの社長に、Dindo Espeleta氏を副会長に任命すると発表した。

宇佐美貴士とは?


上記タイムラインの終盤に登場した宇佐美貴士氏は、かつてユニバーサルエンターテインメントグループの飲食部門に関与していた人物。岡田和生氏がユニバーサルエンターテインメントグループから追放された後は、ずっと氏のアシスタント役になってきた。

日々、さまざまな雑務をこなしているようで、その役回りは岡田和生氏のお出迎えからマスコミ対応まで、幅広い様子。ある訴訟では、彼自身が提出した書面のなかで、(岡田和生氏と)「寝食をともにしている」とも表現していた。

宇佐美貴士氏がSNSに投稿した写真

彼の発する言葉の端々からは、岡田和生氏に心酔している様子も見てとれる。2017年以降、明るみになってきた岡田和生氏のさまざまな悪事については、大したことだと思っていないのかもしれない。


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