アルゼゲーミンググループとそのオーナー・岡田和生氏による特許侵害行為に対して、世界各国で追及を進めていく――。こんな指針をユニバーサルエンターテインメントが公表したのは2018年5月のこと。その進ちょくについては、これまでほとんど明らかになってきませんでしたが、話としてはしっかり続いていたようです。マカオでは、アルゼゲーミング製のゲーミングマシン8台が税関によって押収されていました。
この記事のあらすじ
- マカオの税関がアルゼゲーミングのマシンを複数押収していた
- この事実が示唆するのは、司法当局が動き出したということ
- アルゼゲーミング側は、捜査を一旦ストップするよう、米国の裁判所からマカオの当局に働きかけてほしいと要請していた
マシンの押収は捜査のはじまりを示唆
マカオの税関によるゲーミングマシンの押収。この事実は、アルゼゲーミンググループにかけられた特許侵害疑惑に対して、当局が一歩踏み出したことを意味します。
こう考えられるポイントのひとつは、マカオでは、知財に関する違反行為について問題を提起する場合、当事者がまず税関に知らせ、そこから税関が動くという仕組みになっているためです。税関による押収は、捜査の第一ステップと言えます。捜査の結果、必要と判断すれば、当局はここから逮捕や起訴といった次のステップに進むわけです。
そしてポイントのもうひとつは、押収されたマシンで使われている技術。じつはこれこそが、ユニバーサルエンターテインメントからアルゼゲーミンググループに対してクレームをいれている特許なのです。これは、言うまでもなく決定的な要因でしょう。
ちなみに、これら押収の事実は、米国の訴訟において、ユニバーサルエンターテインメントグループから特許侵害の追及を受けていたアルゼゲーミングアメリカ(および岡田和生氏)側が明らかにしたものです。彼らはこういった事実があったことを訴えた上で、米国の訴訟で特許の結論が出るまで、マカオの捜査を差し止めるよう申し入れましたが、米国の裁判所はこれを却下しています。
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【地域別】ユニバーサルエンターテインメント関連訴訟相関図【米国とマカオと韓国】
この記事は、ユニバーサルエンターテインメントおよび岡田和生氏に関連して、米国およびマカオと韓国で起きた訴訟をまとめたものです。これら3カ国で起きた訴訟は数が限られるため、ひとつの記事にまとめました。な ...
米国とマカオで、いくら同じ特許が問題になっているからといって、それぞれの国には法律違反の有無を調査し、必要とあらば刑法を執行する権利というものがあるのです。米国の裁判所がマカオの捜査に介入しないと返答したのは、当然の判断と言えるのではないでしょうか。
さて、こうなってくると気になるのは今後の動向です。マカオの当局は、果たしてどんな結論を出すでしょう?
【「岡田和生氏と知的財産権」といえば、過去にはSNKともひと悶着ありましたね】
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