岡田和生の現在(いま)と過去

岡田和生氏が反論キャンペーン 「逮捕」の件はひた隠す

テクノロジーの進化に伴い、情報の伝達手段は多様化してきました。今やインターネットは、世界中の人にとって当たり前のもの。個人個人が日々パソコンや手元のスマートフォンからさまざまな情報を発信するのも、ごくありふれた日常になっています。SNSを通じて、仕事や友人を見つける話だって珍しくないでしょう。こうした変化は、人々の生活に恩恵をもたらしてきたことに間違いありませんが、これまで以上に情報の取り扱いに注意すべき時代になったとも言えるのかもしれません。情報というのは、言葉通り受け取るのに適さないものもあるのです。

この記事のあらすじ

  • 2019年にユニバーサルエンターテインメントが開催した株主総会に、岡田和生氏も姿を見せた
  • 株主総会の会場近くでは、岡田和生氏の取り巻きがビラなどを配っていた
  • 記事では、このビラの内容を検証
  • さらに、岡田和生氏がこの株主総会までにどんなことをやってきたか、その足取りも追った

創業者が株主総会にあらわれた

2019年3月25日。この日、開催となったユニバーサルエンターテインメント(UE社)の株主総会では、総会そのものとは別に、出席者の注目を集めた出来事がありました。

出来事のひとつは、株主総会の受付に創業者の岡田和生氏が現れたこと。もうひとつは、総会の会場付近で、氏の関係者が週刊誌と数枚のビラを配っていたことです。

岡田和生氏のいた受付では、株主総会への出席をめぐってひと悶着あった様子が目撃されています。


会社から追われた立場にある岡田和生氏が、総会の出席にあたって必要となる正当な議決権行使書を持参していたのかはわかりません。ただ、総会の会場内に氏の姿はありませんでしたから、このあたりは推して知るべし、なのかもしれません。




一方、会場外で関係者が配布していた週刊誌と数枚のビラについては、いずれも岡田和生氏の潔白を強調するような内容でした。週刊誌に掲載された岡田和生氏の記事はインタビューが中心になっており、このなかで氏は「会社を乗っ取られてしまった」「私は何の不正もしていません」などと主張しています。

なお、これらは大筋でいえば、過去に記者会見のなかで語っていた内容と変わりありません。

2017年9月14日の記者会見から

「22億円の会社資金を不正に流用した」と認定された問題で、岡田氏が14日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。岡田氏は「私は会社の損失になることは一切していない。不正というのはこじつけだ」と真っ向から否定した。

(引用元:「会社を取り戻す!」追放されたパチスロ前会長が“気炎”)

記事の内容に妥当性があるのか、このあたりについてはおそらく、司法の場などを通じて追々わかることでしょう。

「岡田会長が犯罪者でないという事実」?

取り上げたいのはビラのほうです。


このなかでは、ユニバーサルエンターテインメントの社長に対して質問する形で、「岡田会長が犯罪者でないという事実を隠蔽せず、株主に伝えるべきではないのか?」と主張しつつ、その理由について次のように綴っています。
※ビラの表記が「岡田“元”会長」になっていなかったのはご愛嬌

ビラの文面から

現地(香港)や日本でも既に報道されている通り、2019年2月22日付でICACは、添付資料の通り、

<<中略>>

書類が証拠提出されたことなどから、公式に本件告訴について無条件で却下する旨の決定を下しており、岡田元会長に対する嫌疑は消滅しております。

(引用元:岡田和生氏の関係者が配ったビラ)

ここにある「本件」とは、ユニバーサルエンターテインメントの特別調査委員会が指摘した、巨額の貸付金問題のこと。岡田和生氏が会社に無断で李堅氏への貸し付けを決めたとされる件、と言えばわかりやすいでしょうか。

【導入2】岡田和生氏に疑惑 会社に断りなく多額の送金を指示か

岡田和生氏による不正行為については、ユニバーサルエンターテインメント(UE社)と利害関係のない弁護士3名からなる特別調査委員会が、調査結果を出しています。調査結果が公になったのは2017年8月30日の ...

​岡田和生氏はこの件に関連して、2018年7月末に香港の捜査当局・ICACから一時身柄を拘束されて、それ以降も当局の捜査対象になっていたのでした。

香港の捜査当局が岡田和生氏の身柄を一時拘束

渦中にある岡田和生氏は、一連の不正行為が明るみになってから1年少々経過した2018年7月末ごろ、香港で汚職を取り締まる廉政公署(ICAC)に一時身柄を拘束されていました。この拘束の理由については諸説あ ...

つまり、株主総会の会場で配られていたビラの主張を要約すれば、こういうことです。

岡田元会長から新たに提出した証拠資料が、香港の捜査当局ICACによって確認された。結果、2019年2月22日付けで元会長の犯罪嫌疑は晴れている。であるならば、その旨を会社は公表すべきだろう―。


もっともらしい内容ですが、首をかしげたくなるところはあります。

「釈放」宣言に疑義あり

2019年2月22日ごろから香港のメディアを中心に、岡田和生氏の「釈放」報道が相次いだのは事実です。

ただし、いくつか留意すべき点があります。

まず、大半の記事で共通したのは、

岡田和生表示,
意訳岡田和生氏の話では
(引用元:涉串謀詐騙案獲撤控 日本彈珠機大王岡田和生無條件釋放

あるいは

according to a statement from Aruze Gaming.
意訳アルゼゲーミングの声明によると
(引用元:Kazuo Okada released from Hong Kong bail conditions)

という前置きがついたこと。つまり、釈放された、あるいは嫌疑が晴れたとの情報をメディアにリークしたのは岡田和生氏サイドなのです。香港で捜査にあたっているICACは、報道から1ヶ月経っても、当局としての見解を公にしていません。

「釈放」の理由になったという証拠資料についても、不可解なところがあります。ビラの根拠になった資料は、日本の民事裁判でも岡田和生氏から証拠として提出されていたものです。この資料が東京地裁に提出されたのは2018年8月のことですから、当然香港でも同時期に提出していたものと考えられます。であるならば、いまになってそういった資料を材料視して、当局が新たな判断を下すというのも、タイミングからいっておかしな話ではないでしょうか。

それにそもそも、岡田和生氏が「犯罪者でない」というのは、いまとなってはありえない主張です。なぜなら、氏はすでにフィリピンの司法省から起訴状と逮捕状を発布された立場にあるのですから。氏がこうして日本で活動していられるのは、国際指名手配のような手続きまで進められていないからにすぎません。

フィリピン
終わりのはじまりか フィリピン当局が岡田和生氏を起訴、逮捕へ

「The darkest hour is always just before the dawn.」―― 夜明け前がいちばん暗い、なんて言葉がありますが、明けない夜はない、ということなのでしょう。闇夜 ...

YouTubeで1億円のニンジンをぶら下げる


さて、株主総会の当日に岡田和生氏の一行がとった行動は、別の角度から見ると、キャンペーンの一環だったととらえることもできます。次の時系列をご覧ください。

岡田和生氏の「釈放」報道から株主総会までの動き

先の「釈放」宣言から今回の株主総会までの間に、いかに人目を引こうとしてきたか、一目瞭然でしょう。

YouTubeに投稿した動画では、『「条件つき」1億円プレゼント』なる企画も打ち出していました。これは、岡田和生氏がユニバーサルエンターテインメントの経営に復帰したあかつきには、Twitterアカウントのフォロワー1名に700万香港ドル(日本円にしておよそ1億円)をプレゼントする、というものです。おそらくは、2019年の正月に世間で話題になったZOZOの前澤友作社長にならったものなのでしょう。岡田和生氏の一行が、この先どんな展望を描いているのか、そこはよくわかりませんが。

「1億円」の裏側―不都合な事実にはふれず



齢70代にある人が、TwitterやYoutubeから情報の発信にいそしむというのは、まさに時代を象徴するような出来事です。いわば、テクノロジーの進歩がもたらした“功”なのでしょう。ただし、テクノロジーがもたらした“罪”もあることはお忘れなく。

重要なポイントは、岡田和生氏がさまざまな媒体に登場していながら、自分に不都合な情報を一切口にしていないこと。この点です。自身がフィリピンでお尋ね者になっていることは、当然ご存知のはずでしょう。失念するような話ではありません。それに、こんな話もありましたし、


愛人の存在もありました。

岡田和生氏が離婚へ 自ら認める

岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメントの創業者であると同時に、一代で大きな財を築いた富豪としても知られた存在です。毎年、各国の各媒体が発表する「長者番付リスト」の類には、常連のように名を連ねて ...

テクノロジーの進展と普及によって、誰でも手軽に情報を発信できる世の中になったからこそ、いっそうの注意が必要になっている。こんなことを実感するのに適した事例だとは思いませんか、今回のキャンペーンは。受け取る情報を見極めようとする姿勢がおろそかだと、現代ではあなたも踊らされる側になってしまうかもしれません。

Twitterアカウントのフォロワー4000名の皆様は、とくにご注意ください。​​




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