香港の登記所のウェブサイトで、オカダホールディングスのステータスに変更がありました。これは、ユニバーサルエンターテイメントに残る経営陣と、同社の創業者・岡田和生氏の対立を見る上で、無視できない変化だと言えます。
この記事のあらすじ
- 香港の登記所が運営するウェブサイトにフォーカス
- サイトの内容を確かめると、最近になってオカダホールディングスに関して重要な変更があったとわかる
「持ち株比率や役員構成に争いがある」の表記が消える
ウェブサイト上の大きな変更点は、オカダホールディングスの「important note(=注意事項)」欄から、次の文面がキレイさっぱりなくなったことです。
意訳:会社登記簿謄本に記載されている情報によると、会社の持ち株比率や役員構成に争いがあるようです。
While Atsunobu Ishida and Makoto Takada claim that they are the directors, Kazuo Okada also claims that he is the sole director.
意訳:石田敦信と高田誠は自分が取締役であると主張していますが、岡田和生も自分が唯一の取締役であると主張しています。
Readers of infomation on these regards should exercise caution.
意訳:情報をご覧になっている方は、この点に十分ご注意ください。

2018年6月26日時点の表示(※参考)

2021年9月3日時点の表示
そして同時に、登記所のウェブサイトでは、次のような書面が閲覧できるようになっています。
年次報告書
オカダホールディングスの筆頭株主として「Tomohiro Okada(=岡田知裕)」の名前がある。
現在オカダホールディングスで取締役に就く者の名前を記した書面
董事(=日本の会社でいうところの取締役)に「岡田和生」の名前はなく、代わりに岡田知裕氏から選任された公認会計士と弁護士の名前がある。
書面はいずれも、2021年8月27日付けでオカダホールディングスから提出されたものです。
状況から察するに、登記所は岡田和生氏の主張を却下して、息子の知裕氏が敷いたオカダホールディングスの体制を正式に認めたものと考えられます。これは、同社をめぐる議決権争いについて、香港の行政機関が明確な結論を下したという意味で大きな進展でしょう。
念のため補足しておくと、香港の登記所は、しばらく前に日本の司法で出た「岡田知裕が妹の裕実と結んだ信託契約は有効」という結論を、追認したものと考えられます。この信託契約とオカダホールディングスの関係性や、オカダホールディングスとユニバーサルエンターテインメントの親子関係については、こちらの記事をご覧ください。
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信託契約問題に決着 オカダホールディングスの実権は知裕氏に有り
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