ここまでを振り返る

ユニバーサルエンターテインメントと岡田和生 「創業者追放」の真実

ある企業の経営者に関連した不祥事や事件が起きたとき、収束するまでにどれだけの時間を要するかというと、せいぜい1年が相場です。たとえば、マスコミから粉飾決算を暴かれた光学機器メーカーの事件では、経営陣がその疑惑にしぶとく反論を続けたものの、結局1年と持ちませんでした。

大手製紙会社の会長が、会社の資金を個人的なギャンブルにつぎ込んで溶かした件にいたっては、もっと短い。こちらは、問題発覚の直後に、会長自ら辞任という形で幕引きを図りました。

こういったなかで、ユニバーサルエンターテインメントの事件が異彩を放つのは、その長さにあります。問題が公になってから3年近く経過したいまも会社と創業者の対立は続いており、長引いたぶんだけ、これまでさまざまなことが起きてきました。

ここでは、その全体像がざっと把握できるよう、これまでわかっていることをコンパクトにまとめてお伝えします。




[Question]
結局どういう話だったのか

ミリオンゴッドシリーズや、「魔法少女まどかマギカ」などの人気パチスロ機を手がける大手遊戯機メーカー・ユニバーサルエンターテインメント。

ユニバーサルエンターテインメントのパチスロ機

ユニバーサルエンターテインメントのウェブサイトから

この会社で起きた騒動は、創業者がそれまで就いていた社内の役職すべてを解かれ、追放されるという、"解任劇"からはじまりました。以降、創業者の岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメントグループの経営に一切関われずにいます。

 

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なぜ、こういった事態になったのか?



このあたりのことについて、結論から述べると、

すべては会社の経営の健全化を図るためのものだった

と言えます。こういったことになるのは、必然だったとも言えるかもしれません。



原因になったのは、岡田和生氏に会社を私物化するような行為があったことです。




当初やり玉に上がったのは、香港であった一件でした。岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメントの役員会に相談ひとつしないまま、香港の子会社から1億3500万香港ドル―日本円にして約20億円もの大金を、第三者に送金していました。さらにこの大金は、まもなくほぼ全額が岡田ファミリーのプライベートカンパニーに還流したことも確認されています。

そしてこれを皮切りに、その他の問題行為も続々と明らかになっていきました。多くは、岡田和生氏が会社から何らかの形で資金を引き出すというものでした。

[Question]
「追放」の根拠はたしかなのか

物事を慎重に見る人ならば、ここでこんな疑問を浮かべるかもしれません。

「これらの指摘は間違いないものなのか。私物化や問題行為があったことは本当なのか」と。

ユニバーサルエンターテインメントに対する世間の反応

Twitterから

創業者による問題行為が公になってまもない2017〜2018年ごろなら、そんな疑問や異論をはさむ余地はたしかにありました。追放された岡田和生氏と、氏を追放した会社サイドでは、主張が大きく食い違ったためです。

双方の主張から、それぞれの是非を判断することはなかなか難しかったために、実際、当時は一部の界隈で、憶測が憶測を呼ぶようになったこともあります。

実際、当時はさまざまな憶測が錯綜した

ユニバーサルエンターテインメントに対する世間の憶測

5ちゃんねるから

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それに、この騒動に関わる登場人物に目を向けると、会社の創業者とその家族、そして会社に残った経営陣など、多彩な面々が並びます。ゆえに、このなかで骨肉の後継者争いがあったとか、会社の経営方針に関して対立があったとか、刺激的な筋書きを描きやすい側面もあるでしょう。

「家族」という言葉で同情を誘うような動きもあった


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けれども、すでに状況ははっきりしつつあります。

大きなポイントとして挙げられるのは、司法が下した判断です。




会社サイドは、これまで民事訴訟のなかで数々の物証を示してきました。岡田和生氏による問題行為があったことを、第三者にもわかるよう証明するために。

そしてその結果、裁判所は一審判決のなかで、岡田和生氏に法律違反があったと結論づけています。社内で重役としての責務を果たしていなかった、と。

裁判所が出した判決は、いわばお墨付きと言えるでしょう。つまり、会社が決定した「創業者の追放」という処断は、司法の目から見ても正当な行為だったと言えるのです。

裁判所

いまの時点でなお、

すべては会社の経営の健全化を図るためのものだった

という評価に異論を唱える人がいるとすれば、それは岡田和生氏本人か、その取り巻きくらいでしょう。もはや、議論の余地はほとんど残っていないと言うほかありません。

(つづく)

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