遊技機メーカーとして知られるユニバーサルエンターテインメント社と、その創業者である岡田和生氏に関わる一連のトピックを追いかけております。 ​

ユニバーサルエンターテインメントの経営騒動に潜む闇

追われた創業者の足跡

【注目】岡田和生という男の現実と本質

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「人の考えを本当に理解したいなら、彼らの言葉ではなく、行動に注意を払え」――。こんな教えを遺した哲学者が生きた時代は、いまから4世紀近く前になりますが、この言説の妥当性はいまなお何ら変わりないのではないでしょうか。言葉と行動。このふたつのポイントに着目しながら、これまでの経緯を整理してみると、岡田和生という男の本質が見えてきます。

偽りの勇ましさ

岡田和生氏は、ユニバーサルエンターテインメント(UE社)グループに関するすべての職を解任されてからというもの、さまざまな機会で持論を展開してきました。その語り口は、いずれの場面でも雄弁で、勇ましく映ります。

2017年9月14日の記者会見から

​一番重要なことは、私を疑わしき犯罪者という形で断罪したことだ。業務執行権限の停止などすべきでない。これは違法行為であり、こうした状態を作った富士本社長ら経営陣を相手取って闘うつもりだ。私は正しいことをやってきた。私の信念はそこにある。

引用元:パチスロ創業者が「賛成4、棄権1」で“追放”された日

2018年3月31日付けのインタビューから

Okada argues that his son, Tomohiro, was misled by Universal Entertainment’s current president, Jun Fujimoto, and others, whom he claims spread false accusations against him.
意訳:岡田氏は主張する。ユニバーサルエンターテインメントの富士本淳社長とその取り巻きが嘘の告発をしたことで、息子の知裕氏はミスリードされたと。

引用元:THE JAPANESE PACHINKO KING TAKING A BET ON HONG KONG JUSTICE

2018年8月20日付けのインタビューから

I have been accused by enemies; but people that know me, know these accusations are false. I believe in justice, and this belief drives me to continue.
意訳:私は敵対勢力によって非難されました。しかし、私を知っている人々は、これらの非難が偽りであることを知っています。私は正義を信じています。そしてこの信念は私を突き動かします。

引用元:Still time for my son to help family: Kazuo Okada

しかし、氏がこういった言葉に相応しい行動をとってきたかといえば、決してそんなことはありません。

このあたりについては、少なくともふたつのことがはっきりしています。ひとつは、岡田和生氏が、一連の問題解明のために立ち上げられた特別調査委員会の聞き取りに一切応じなかったこと。もうひとつは、調査には応じなかったにもかかわらず、コソコソと自身の元側近だった人物に接触して、責任回避を図っていたことです。

調査報告書から
※「乙」は岡田和生氏のこと。

当委員会は、乙の代理人弁護士から、乙がヒアリングに応じる条件として、(1)ヒアリングの1週間前までにヒアリングに関連する資料を代理人弁護士に開示すること、(2)ヒアリングには代理人弁護士が立ち会うこと等の要求を受けた。当委員会は、乙の主張を確認することが望ましいと考え、乙をヒアリングに同行することを前提に、ヒアリングで提示を予定していた資料を代理人弁護士に開示し、代理人弁護士は、これらの資料を閲覧するなどした。しかし、ヒアリング当日になって、代理人弁護士から、乙はヒアリングには応じない旨連絡があり、結局、乙はヒアリングには現れなかった。
以上の経緯により、乙のヒアリングは行わなかった。​

引用元:特別調査委員会の調査結果及び今後の対応に関するお知らせ

毎日新聞から

​岡田氏は特別調査委の事情聴取を拒否。前取締役は聴取に応じた。同社によると、調査が続いている間に、岡田氏が前取締役の自宅に行き、「すべてお前がやったことだ」と脅したという。

引用元:パチスロ大手で「前会長が22億円不正流用」報告書公表

責任感はまるでなし ルールやモラルもおかまいなし

岡田和生氏が元側近に接触した日の模様は、ある裁判において提出された資料に詳しくあり、このなかで氏は、あるがままをさらけだすような格好になっています。

岡田和生氏が元側近と接触した当日の概要

  • 両者が会ったのは2017年7月下旬のある日(特別調査委員会の調査期間中)
  • 場所はお昼どきのスターバックスコーヒー
  • 同席したのは岡田和生氏とその運転手、元側近という3人
  • 元側近は先立って特別調査委員会の聞き取りに応じていた
  • やりとりのなかでとりわけ印象的なのは、氏の強弁ぶりです。ここでとやかく語るより、まずは実際の会話をいくつかご覧いただきましょうか。

    「オレ、決めてねぇよ」

    ひとつめのシーンは、オカダホールディングス(OHL)から李堅氏に対して1億3500万香港ドル(=日本円にして約20億円)を貸し付けたのち、ユニバーサルエンターテインメントの関係会社Tiger Resort Asia(TRA)を巻き込んでいった件について、論じ合うものです。

    【導入2】岡田和生氏に疑惑 会社に断りなく多額の送金を指示か

    岡田和生氏による不正行為については、ユニバーサルエンターテインメント(UE社)と利害関係のない弁護士3名からなる特別調査 ...

    参考
    岡田和生が指示した不正送金

    岡田和生氏と元側近の会話 その1
    ※文中にある()内の言葉は注釈、あるいは会話が理解しやすいよう当サイトで補足したもの。

    <<テーブルの上には送金の流れを整理したメモがある>>

    元側近:最初、10億か20億か、いろいろ話があって。(岡田会長の)指示で20億やってくれっていうことで、振込用紙を用意して、出しました、と。そのあと年明けて、TRAから、こっちに(送金した)。当時、李さん、◎◎(※李堅氏とは別の関係者の名前)さんっていう人が絡んでて。

    岡田氏:◎◎が絡んでんの? そんなの、俺に一言も言わないで。

    元側近:いやいや会長(苦笑) 私、勝手に20億なんて動かせないですよ。

    岡田氏:金を貸してくれという、最初の話は知っているよ。

    元側近:ジャンケットに投資するという話で。

    岡田氏:ゴールドラックと李さんが来たんだろう。

    元側近:◎◎さんもいたと思いますよ、その当時。

    岡田氏:来てねえよ。

    元側近:いや、あの、言葉には出ていたんですよ。

    岡田氏:それは知らねえよ。おまえが交渉したんだろう。

    元側近:いやいや、していないです(断言口調) それは勘弁してほしい。

    岡田氏:こういうことを言い出すんだ、おまえは。

    元側近:いやいやいや。会長さん、それはないですよ(苦笑)

    岡田氏:いくら貸して、どうするこうするって、俺、決めてねえよ。

    元側近:いやいやいや。会長、いま僕は持ってないですけど、携帯のショートメッセージ(がある)。会社に携帯とられちゃっているから(ないだけで)。そこにちゃんとありますよ。

    岡田氏:20あったら貸すからな、と。これだけだったんだよ。このあとの交渉は、全部お前がやっているんだよ。

    元側近:契約を用意しただけであって、交渉はしていないです。交渉はしていない。

    岡田氏:条件なんか一切、俺は交渉してねえよ。金利いくら取るとか、マージンを取るとか。俺は交渉なんか実際には入ってねえよ。

    元側近:いま、携帯ないからわからないですけど、ショートメッセージに全部残っていますよ。たぶん調査委員会が持っていると思いますけど。

    岡田氏:おまえ、よく聞けよ。俺が言っているのは、方針はいいんじゃないの、と。こういうことを明確に俺はちゃんと言っているよ。方針はいい、って。実際の契約に至るまで、おまえが全部交渉してやっているんだよ。何言っているの?(挑発的に)

    元側近:いやいやいや、そうやってくれって指示で、メッセージ出てますよ、会長。

    岡田氏:やってくれって、おまえが全部、それを見て判断するってことになっているだろう。

    元側近:いやいや、私は20億の判断なんかできないですよ(苦笑) 金額だって指示が来たから。その振り込みを李さんにやってくれと。


    岡田和生氏と元側近の会話 その2

    元側近:金額を確定したのは、会長と李さんで決まっているんですよ。

    岡田氏:金額は確定していないよ。

    元側近:していますよ(断定口調) そのメール、ちゃんとありますから。

    岡田氏:こうです、ああです、条件がこうです、ってそんなこと俺は何も言わないよ。いつも俺はだいたいの方向性についてのみ、いつも言うことで、あとは全然関係ねえじゃねえか。お前、ケチな身の守り方をするな。それがイヤらしいから、俺は怒っているんだよ。何を恐れているんだと。ふざけるなと。

    元側近:いやいや(苦笑) 会長、私はね、本当に一般人なんですよ。

    岡田氏:社会的にはお前より俺のほうが重要だよ。何言っているんだ。自分勝手なこと言うんじゃない。


    岡田和生氏と元側近の会話 その3
    ※文中にある()内の言葉は注釈、あるいは会話が理解しやすいよう当サイトで補足したもの。

    岡田氏:細かい契約書だ、やり取りだ、送金だ、なんて俺がやるわけねえだろ。実務なんか。

    元側近:いや、会長、いいですか。実務の書類、たとえば振込用紙ならば▲▲(※オカダホールディングスの経理担当者の名前)が用意してくれました。

    岡田氏:そんなことを聞いてねえよ。おまえがちゃんとやっているんだろ。

    元側近:いやいやいや(苦笑) 指示にもとづいて動いているだけですよ。

    岡田氏:じゃあ、俺がこういうふうにしろって、全部言っているか?

    元側近:「これを振り込んでくれ」。言っていますよ。

    岡田氏:振り込んでくれなんて、俺が言うわけねえだろ。

    元側近:言っていますって(あきれて吐き捨てるように) でなかったら、やるわけない。そんな大金、私、責任取れないですもん。

    岡田氏:それで俺のところに来たんだ、第三者委員会(※おそらく「特別調査委員会」の誤り)。俺は実務は何もやってねえよ。今までも何もやってねえよ。(おまえに)聞いて、ああ、そうか、それでいいんだな。これしかやってねえだろ。

    この件については、当日何度も話題になりましたが、岡田和生氏は終始この調子です。自分は指示していない、詳細に関与していないというニュアンスの反論を繰り返し、貫き通しました。しかし、この日のやりとりで元側近が言及した証拠類は、データとしてしっかり存在しているというのが事実です。関連の訴訟において、証拠資料にもなっています。岡田和生氏から指示が出たという痕跡はあるのです。ここで岡田和生氏が知らぬ存ぜぬという態度でいるのは、自らの責任回避と、部下への責任転嫁が目的なのでしょう。

    「返ってこなかったら、それは単なる事故じゃないか」

    こちらは、もしもの話として、李堅氏からユニバーサルエンターテインメントグループに対して貸付金が完済されなかった場合のことについて言及するシーンです。

    岡田和生氏と元側近の会話 その4
    ※文中にある()内の言葉は注釈、あるいは会話が理解しやすいよう当サイトで補足したもの。

    岡田氏:李さんはいいよ。(返済期限が)11月だから。責めようがないじゃないか、別に。

    元側近:彼(※おそらくユニバーサルエンターテインメントの社長のこと)はこれ、請求するつもりだから。……ちょっとわからないですけど。

    岡田氏:追求しようがねぇだろう。11月に返ってくれば。返ってこなかったら、それは単なる事故じゃないか。

    元側近:まぁ、ガバナンスはその、犯罪でもないと思うので。ちょっとわからないですけど。

    岡田氏:ガバナンスは完済は関係ないよ。返済なんかされようと、されまいとガバナンスさえ通ってりゃ、それは問題ない。


    岡田和生氏と元側近の会話 その5
    ※文中にある()内の言葉は注釈、あるいは会話が理解しやすいよう当サイトで補足したもの。

    岡田氏:これは11月に返済されたら問題ないから問題ねぇんだ。

    元側近:まぁ、そうでしょうね。

    岡田氏:もうひとつ。これはガバナンス違反だとか違反じゃないだとかっていうのは、厳格に言えば逃げ切れないけども、それの本来の責任は富士本(※ユニバーサルエンターテインメントの社長のこと)だよ。それ覚えとけよ、お前。

    ここで岡田和生氏が口にしたガバナンスというのは、コーポレートガバナンス(企業統治)のことです。つまり、すべては社内を統率する仕組みに問題があって起きたことであり、その責任はユニバーサルエンターテインメントグループを束ねる富士本社長にあると指摘しているわけです。しかし、こうした見解には賛同できません。すべては氏がいたからこそ始まったことなのです。氏が自らこういった主張を展開するのは、「相手が無防備だったから襲った」と言い訳する強盗犯と大差ないでしょう。自らが責任を回避するためなら、ルールもモラルもおかまいなし、といった姿勢が見て取れるようです。

    この日のやりとりは1時間半超に及ぶものですから、ここに掲載したシーンはそのうちのごく一部にすぎません。しかしそれでも、岡田和生氏が一連の問題をどうとらえ、人目につかないところでどんなことをやっていたか、おおよそのところはご理解いただけたのではないでしょうか。

    自らの責任が問われるのなら、部下の背中を刺してでも突破を図る。ここまでくると、まるでドラマや小説のような話ですが、これは現実です。これこそ、岡田和生という男の実態なのです。

    もののついでにふれておきますと、ここで取り上げたやりとりのなかでは途中、業を煮やした岡田和生氏が元側近の顔を殴りつける場面もありました。出るところに出れば傷害罪に問われるものですが、このあたりのことについては後日、代理人の弁護士を通じて、こう説明しています。

    2017年8月31日の取材から

    信頼していた前取締役の話をききたくてスターバックスで話を聞いた。『しっかりしろ』という趣旨のことを言ったが、恫喝はしていない

    引用元:大手パチスロ前会長側が「不正認定は名誉毀損」と反論

    なお、すべてのやりとりは、音声データとして残っています。

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