オカダホールディングスの株式に関連して結んだ信託契約に、動きがあったことを確認しました。
これまでにわかっていることをまとめると、次のとおりです。
信託契約に関する動き
- 岡田和生氏の娘・裕実氏が、兄・知裕氏を信託契約の受託者から解任するための手続きをとっている
- 「受託者解任申立事件」と銘打たれたこの手続きが裁判所ではじまったのは2022年
- 原則非公開になる非訟事件であるため、把握できる情報は限られるが、
- 裕実氏の申し立ては、地方裁判所が2023年2月20日付けで棄却
- そののち裕実氏が抗告したため、2023年12月現在は高等裁判所で手続きが続いている
ことまでは確認できている
ここでいう信託契約というのは、岡田知裕氏が父・和生氏に代わってオカダホールディングスの実権をにぎることで、父親がユニバーサルエンターテインメントグループの経営に関与することを封じたものですから、もし万が一、信託の受託者から知裕氏が解任されるようなことになれば、一夜にして岡田和生氏の復権は決定的なものとなります。受託者解任の手続きに着手したのは娘の裕実氏ですが、彼女の背後には十中八九、岡田和生氏がいると見て間違いないでしょう。
知裕氏と裕実氏は、この信託契約を2017年に結びました。契約期間は30年という約束になっています。
ユニバーサルエンターテインメント(UE社)の経営云々を語る上で重要なポイントが、その株主構成にあります。同社の発行する全株式のうち68%ほどを保有し、圧倒的な議決権を確保しているのは香港法人オカダホー ... 岡田一族の資産管理会社・オカダホールディングスに関連して、岡田和生氏の息子・知裕氏が、妹の裕実氏と結んだ信託契約。この契約の有効性をめぐって続いてきた法廷闘争が、ついに終局をむかえました。 訴訟は「信 ...
【導入3】オカダホールディングスを巡る議決権争い
信託契約問題に決着 オカダホールディングスの実権は知裕氏に有り
裁判所に提出された裕実氏名義の陳述書では、兄と結んだ信託契約について、
- (信託契約を)言い出したのは彼らのほう
- (過去に決着した信託契約確認訴訟も)訴えてきたのは彼らのほう
などと、非難の矛先を兄だけではなく、複数の人間に向けているところが印象的でした。こうした文脈は、「知裕はユニバーサルエンターテインメントの経営陣にだまされている」としてきた岡田和生氏の主張を彷彿とさせるものです。
この記事をまとめるにあたって参考にした資料
- ある訴訟において提出された「受託者解任申し立て事件」の関連文書各種
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