長男長女の信託契約問題

オカダホールディングスをめぐる信託契約『有効』の判決 ​

オカダホールディングスの実権を取り戻すべく、ひいてはユニバーサルエンターテインメントの経営陣に復帰すべく、岡田和生氏はここまであらゆる手を尽くしてきたわけですが、コトは思うように進まないようです。このたび新たに東京地裁で、氏の望まないであろう司法判断が出てきました。

オカダホールディングスに関する訴訟に判決を下した東京地方裁判所

この記事のあらすじ

  • オカダホールディングスに関連して、岡田和生氏の息子と娘が日本の法廷で争っていた
  • このたび、この訴訟の判決が出た
  • 判決は岡田和生氏にとって都合の悪いもの

長男が妹と結んだ信託契約は『有効』

​当該訴訟は、岡田和生氏の長男である知裕氏が、妹の裕実氏と結んだ信託契約の有効性を確認すべく、彼女を相手取って提起していたものです。知裕氏は、この信託契約を妹と結んだことでオカダホールディングスの議決権54%を確保し、父親から実権を取り上げることにつなげていました。仮に、知裕氏がこの信託契約を結んでいなかった場合、父親の和生氏はオカダホールディングスの実権を行使して、いまごろユニバーサルエンターテインメントの経営に介入していたはずです。その意味で、この信託契約はすべてを支える、いわば屋台骨のような存在だったと言えます。

ユニバーサルエンターテインメントの株式保有割合
【導入3】オカダホールディングスを巡る議決権争い

ユニバーサルエンターテインメント(UE社)の経営云々を語る上で重要なポイントが、その株主構成にあります。同社の発行する全株式のうち68%ほどを保有し、圧倒的な議決権を確保しているのは香港法人オカダホー ...

​訴訟の判決が出たのは、2019年1月25日でした。当日、裁判官が法廷で口にした言葉は、次の通りです。

「株式管理処分信託契約が有効に存在することを確認する」
「訴訟費用は被告の負担とする」

この日、理由の説明まではなかったため、どういった考えから今回の判決に至ったのか、そこはまだ定かではありません。ただ、この件を追ってきた立場から個人的な意見を申し上げれば、今回の判決は当然の結果、というのが正直なところです。当サイトが提供していた下記の記事をご覧になっていた方も、おそらくは同じ感想をお持ちなのではないかと思います。

続・オカダホールディングスを巡る議決権争い

世間から「内紛」とも評される、ユニバーサルエンターテインメント(UEC)の経営騒動において、Okada Holdings Limited(OHL)の議決権争いがひとつのキーになっているのは既報の通り。 ...





あるメディアはこの訴訟について、「ユニバーサル電撃解任の岡田前会長、反撃の狼煙…」などと称した記事を出していたのですが、完全なミスリードであったというのが実情です。このあたりに関して、当サイトから申し上げることがあるとすれば、ひとつ。「原告サイドと被告サイド、双方の言葉をしっかり読み解けば、兄が不誠実な形で妹と信託契約を結んだ事実は見られない」ということです。

岡田和生氏にとっては歯がゆい状況が続く

さて、今回、信託契約の有効性が司法の場で認められたといっても、これでオカダホールディングスをめぐる議決権争いが決着するというわけではありません。法律上、上訴することが認められているためです。被告サイドにいる岡田和生氏の心情を考えれば、おそらく係争は続くものと見られます。

今回の判決によって何かしらの動きがあるとすれば、香港になるでしょうか。香港では、岡田和生氏があの手この手でオカダホールディングスの取締役に返り咲くことを画策したのに対して、司法当局はこの信託契約を取り上げつつ、「日本の司法判断を待ちたい」との意向を示していました。

オカダホールディングスを巡る香港での動き
オカダホールディングスを巡る香港での動き

不正の嫌疑をかけられてユニバーサルエンターテインメント(UE社)を追い出された格好になった岡田和生氏は、オカダホールディングス(OHL)の実権を取り返すべくあらゆる手を講じてきました。自身の長女である ...





このたびの東京地裁の判決を受けて、オカダホールディングスの実権が知裕氏にあることを、香港も追認する可能性はありそうです。

他方、岡田和生氏の立場から状況を見ると、旗色が悪いのは明白です。香港では、娘の裕実氏が自分とともにあると主張して、オカダホールディングスの実権も自分にあると再三司法の場で訴えてきたものの、氏の思うような結果には結びつきませんでした。さらにフィリピンでは、2018年12月に起訴状、年明けまもなくに逮捕状が出たばかりです。当時、氏がフィリピン国内に滞在していなかったため身柄の拘束こそまぬがれているものの、フィリピンに足を踏み入れればまもなく逮捕されることになるでしょう。

2019年1月29日現在で、氏の置かれた状況を整理すると、こうなります。

なお、FACTA 2019年1月号によると、香港での捜査については、そう遠くないうちに期限を迎えるようです。

『香港での捜査は現地法令により期限が3月一杯とされる。』

(引用元:カジノ王・岡田が「肉弾突撃」)

※2019年2月13日追記

被告サイドから控訴の手続きがあったことを確認しました。


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