米国でChapter11の適用を申請した当初、再建への強い意欲を示していたアルゼゲーミングアメリカ社が、清算手続きに入ったことを確認しました。この手続きは、アルゼゲーミングアメリカと債権者委員会が共同で提案した、清算プランの内容に沿って進められています。
清算プランの主な段取り
- 清算プランは2023年12月15日に発効
- これ以降、アルゼゲーミングアメリカの資産は、新たに設立された清算信託に移されて、そこから清算受託者が債権者などに分配する手はずになっている
- 必要な手続きが終わって裁判所が破産事件の終了を宣言すると、そののち120日以内にアルゼゲーミングアメリカは解散する
実際にアルゼゲーミングアメリカが清算の手続きを終えるまで、まだいくらか時間はあるものの、1983年に「Universal Distributing of Nevada」として創業した同社が、いずれ消滅に至るのは間違いありません。これにより岡田和生氏は、アルゼゲーミングアメリカが消滅するきっかけを作った張本人として歴史に名を刻むことになります。
アルゼゲーミングアメリカの倒産は、岡田和生氏が個人的な債務をずっと未払いにしてきたために起きたものです。氏は、米国のBartlit Beck法律事務所から請求されていた弁護士報酬を、何年にも渡って支払ってこなかったことから、取り立てにあったのです。
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岡田和生オーナーのアルゼゲーミングアメリカ社が米国で連邦破産法11条の適用を申請
岡田和生オーナーの不届きが招いた末路 アルゼゲーミングアメリカ社はすでに「死に体」と化した
なお、この清算プランにおいて、岡田和生氏は「免責される当事者」から除外されました。したがって、今後は氏がアルゼゲーミングアメリカの債権者から損害賠償請求などの責任追及を受けるような展開もありえるかもしれません。
アルゼゲーミンググループはどうなる?
岡田和生オーナーのもとで事業を続けてきたアルゼゲーミンググループは、すでに壊滅状態にある。たとえば、グループ内においてゲーミングマシンのメンテナンスや研究開発を担ってきたアルゼゲーミングテクノロジーズ社は、2023年8月に日本で破産を申請したし、これまで工場でゲーミングマシンを製造してきたAruze Phils Mfg.Incは、すでにアルゼゲーミングアメリカがすべての事業資産を売却しているため、何も作るものがないような状態。戦場でただ死を待つだけの負傷兵と、そう変わりはない。
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(株)アルゼゲーミングテクノロジーズ | TSR速報
(株)アルゼゲーミングテクノロジーズ(江東区)は8月31日、破産を申請した。負債総額は10億3602万円(2022年12月期決算時点)。
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この記事をまとめるにあたって参考にした資料
- ネバダ州の破産裁判所が公表した各種書面
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