株主総会の出席者から出た質問については、その大半を富士本淳社長が回答しました。
オカダマニラについて
- システムに問題があったとかバグがあったとかそういう話ではなくて、システムの権限者が用いる端末のコードが盗まれた
- そして、それを使って、データを消したりとか、そういうことをやった人がいる
- その人はすでに当局が検挙した
- 弊社としては、当局から指導された範囲の情報を発表するにとどめている
- ほかの大手IR事業者、一部のカード会社も被害にあった
- 被害にあった会社は、弊社もふくめて、運用ルールの見直しをすることで再発防止に努めている
- システムの技術云々ではなく運用ルール
- 現状では、すべてのデータを復元して問題のない状態になっている
(以下は矢澤豊監査役からの回答)
- 監査役会としては、監査役数名で2023年11月に現地視察を実施
- 現地担当者からヒアリングして、情報を共有するなどした
ナスダック上場について
26 Capital(=米国ナスダック市場に上場するSPACのひとつ)とともに進めていた、IRリゾート事業の上場構想は、結局幻に終わりました。
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「オカダマニラ上場」をめぐる対立に結論 当事者間で結んだ契約は白紙に
26 Capital社をパートナーにすえて実現するはずだった、ユニバーサルエンターテインメントの「オカダマニラ擁する統合型リゾート事業の上場」は、実を結ぶことなく幻に終わりました。この上場スキームが公 ...
- もう1回SPACで、という考え方を持って準備しているわけではない
- シンガポールやフィリピンなど、公開市場はほかにもある
- それらを含めての公開、ならありえる
- 社債の償還に対しては、(株式の公開ではなく)銀行借入の交渉を優先する
- そののちに、株式の公開にもう1回トライするかしないか考える
- 銀行との交渉は、かなり煮詰まってきている
- 米国の訴訟内容については、あまり詳しく申し上げられない
- SPACの担当だった社員には、いろいろ問題があった
- 懲戒免職にせざるをえなかった
- 取締役でもない、あくまでいち個人なので、会社として民事訴訟について検討することはあっても、刑事についてはあくまで当局の判断になる
オカダマニラと岡田美術館について
- SPACの手続きにあわせて、オカダマニラの名前を変更するのはどうか、という話はあった
- 名前を変えると、けっこうなお金がかかる
- 上場によって、どちらにせよ、いろいろなものを作り直すことになるのなら、といった考えだった
- 今後、新たなチャンスがあれば名前の変更を考える余地はあるのかな、と思う
- 具体的に何か計画があるわけではない
- 岡田美術館に関しては、美術館を会社が所有し、美術品はOkada Fine Artという岡田和生氏個人の会社から借りる、という関係にあって、美術品の管理料と美術品を借りる費用は相殺されている
- 岡田美術館の名前を変える計画はない
遊技機事業について
- 再販は何回かしてきたし、今後も再販を実施する可能性は当然ある
- ただ、非常に慎重に見ている
- 価格を安くして数を売ることにこだわると、何が起きるか?
- その台のファンの数は変わらないから、(店では)1台あたりの収益性がどんどん落ちていく
- その機械の客の数に合致するよう、(店にとって)収益性の高い状態を維持することが、この業界の健全性につながる
- メーカーサイドも、安売りしなければ数を売らずとも収益性は上がっていく
- こういう両面を意識して、いままで運営してきた
- その結果、この業界が低迷だなんだと言われるなかにおいても、我々のパチスロの収益性は一切下がっていない
- 機械の価値が落ちない、収益性が落ちないということが見通せれば増産に踏み切る
- 市場に迷惑がかかる台数の増産はしない
- 慎重に、しかし必要であれば増産する、というのが基本方針
当社をめぐる記事や噂について
- Youtuberの件については、外注先や関係先がやりとりするなかで何かあったのかもしれないが、よくわからない
- 弊社の経営陣はまったく関与していない
- 週刊誌の記事に出ている件については、岡田和生氏との問題が根本にある
- 私個人が当事者になっている株主代表訴訟も同様
- 当時、全役員が役員会で決議したものだったのに、いまになって岡田和生氏が「聞いていない」と主張し出したことによって、一部の人から問題視されるようになった
- 「一部の役員が勝手に資金を支払ったのではないか?」と
- 一審は棄却されたけど上告してきている、というのがこれまでの流れ
- 記事ではこういった動きを取り上げて、弊社を怪しい会社でどうこう、という論調を展開している
- 岡田和生氏と連携しているのかどうかはわからない
- 岡田和生氏が弊社の現経営陣を攻撃することは、そもそも無駄で意味のないこと
- 彼の持っている株式の価値がどんどん落ちることにつながるわけで、損なことをしているように思う
- なぜこんなことをするのか、疑問
- 取締役である我々に、取締役を解任する権限はない
- 彼が取締役から解任されたのは、親会社(=オカダホールディングスを指すものと考えられる)における親族の判断によるもの
- 彼が解任されたあと、弊社のなかで調査したところ、いろいろ問題があったことから、彼に対する責任追及をはじめた
- 彼はそれを止めたい、ということなのだろうと推測している
- ピークのとき、年間60億円以上かかっていた訴訟費用は、すでに半減した
- 残っている訴訟が片付くと、そこから派生した問題もなくなるだろうと考えている
- 直接的にメディアと対立する考えは、いまのところない
当社の株価と、システム障害の影響について
- 計画通り好調な決算が確認できれば、株価は回復するだろうとタカをくくっていたところはある
- 弊社の株価は、業績からすると考えられないくらい低迷した水準にある
- 弊社の場合、市場に出回っている株式がかなり少ない
- それゆえに、ほんのひと握りのファンドなんかが動いただけで、株価が大きく上下する側面はある
- ただそれにしても、株価が低すぎる、問題があると考えるのは当然だと思う
- 対応策はいろいろ検討している
- いまネックになっているのは社債
- やっちゃいけないことがコベナンツ(=特約条項)にいっぱい書いてある
- そういう成約があって身動きがとれない
- 社債はそもそも高金利
- だから一番の優先事項は、社債を銀行からの借り入れに切り替えること
- それによって縛りをなくして、株式に対して自由な判断を下せるようにしなければならないと思っている
- 銀行の件は、本株主総会で発表したかった
- しかし書面の内容に齟齬があって、その調整に時間がかかっている
- それらをすべて終わらせて、次の段階では株主が求めるような手を打ちたい
- システム障害の影響については、具体的な数字を出すのは難しい
- 予測にしかならない
- 影響が一番大きいのは、(スロットマシーンのような)機械
- 2ヶ月ほどの期間で、30%くらいの影響があったのではないかと考えている
- 身代金については、問題の人物が即座に逮捕されたので、そういう問題に巻き込まれるようなことは一切なかった
オカダマニラについて
- 原因のひとつは、例のシステム障害
- 運用を変えるための作業にてこずった
- 原因のもうひとつは、中国、マカオの影響
- フィリピンの場合、ほかのASEAN地域に比べれば中国の影響は小さい
- マカオの客は30%くらいが中国人になっている一方、フィリピンの場合、それが1割くらいしかない
- ただ、それでも影響はある
- マカオでネットカジノだとかのいろいろな施策を打ったことが、季節的に影響したところもあるのではないか
- 中国については、いつ何を変えるかわからないので、わかりにくい
- されど1割くらいなので、大きな問題にはならない
- 11月のトレンドが長期的に続くわけではないと見ている
- 中国が何をするかわからないので、断定はできないが、中国の動きがあったりなかったりしながらも、(売上は)結果として伸びていくのではないか
社債の借り換えについて
- 金融機関と交渉するにあたって、借入先を最初から1社にしぼっているわけではない
- 何社かと交渉する
- そういうなかで、セブの紹介があったことは事実
- 何にせよ、まずセブの調査をするということであって、確定したわけではない
- よい案件なのか、問題があるのか、もしくはあまり得にならないか、そういう調査を継続している
- セブのプロジェクトに関して、何らかの結論が出ているわけではない
- 金融機関との交渉については、セブの件とは無関係に、どんどん前に進んでいるように感じているが、NDA(=秘密保持契約のこと)の関係上、いまここで細かい内容を説明することはできない
- 本契約に至った時点で即時に発表することになるだろう
- 私個人としては、できたらこの株主総会までに終わらせてほしいと思っていた
- しかし、それが終わらないということになって、「来月になるのか、再来月になるのか……」というところで若干イライラしていた
「セブのプロジェクト」とは?
このプロジェクトは、フィリピンの証券取引所に上場するPH RESORTS GROUP HOLDINGS, INCのグループ会社が、セブ州において開発していた、「エメラルド・ベイ・リゾート」なる統合型リゾート事業のこと。2023年12月8日に公表された書面によれば、ユニバーサルエンターテインメントグループは当プロジェクトをPH RESORTS社から引き継ぐ方向にある。ただ、これまで幾度にもわたって開業が先延ばしになってきたプロジェクトなので、両者の合意が正式な契約にまで至るか、まだ疑わしい側面はある。
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セブ島IRのエメラルドベイ 開業予定を23年初頭に延期
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セブのプロジェクトについて
- セブのプロジェクトについては、専門家の方々にお願いして、建築物の内容やコンクリートの強度など、何から何まですべてチェックしているところ
- この作業は、ものすごく時間がかかる
- そういう段階なので、「セブのプロジェクトにそもそも価値があるのか」というところまでふくめて、いま具体的に何か申し上げられる状況にない
- もしも具体的な進捗があれば、そのときは公表する
過去に開催した株主総会まで振り返りたい方は、こちらからご覧ください。
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株主総会
遊技機メーカーとして知られるユニバーサルエンターテインメント社と、その創業者である岡田和生氏に関わる一連のトピックを追いかけております。
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株主総会は、例年通りグランドニッコー東京 台場で開かれました
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