株主総会で出た質問については、すべて富士本淳社長が回答しました。
当社のPBR(=株価純資産倍率)について
質問:PBRが1倍を割ったままになっていることへの対策は何か考えているのか?
- コロナをふくめ、いろいろな問題があったが、業績は回復してきている
- 今年はさらによくなる
- 株価については、部分的な上下動はあっても「上がらずに動いていない」という言い方が正しいかもしれない
- 株価が上がっていない要因としては、親会社(≒オカダホールディングスを指すと考えられる)の株主間抗争という要素が大きい
- フィリピンの最高裁判所から結論が出なければ、管理体制の厳しい金融機関のようなところからすると(当社の株式に)手を出しにくいのだろう
- 前々から話してきたように、「IR(=Integrated Resort)」とはカジノ事業ではなく、不動産事業であり街づくり
- 不動産事業に関連した準備はしているものの、最高裁判所から結論が出るまでは概略や計画をオープンにしにくい
- (岡田和生氏から)妨害される可能性を勘案しなければいけないから
- 最高裁判所から結論が出て、決着がついたときに動き出せるよう、我々はいろいろな準備をしておく
遊技機事業について
質問:パチスロ機は好調な一方、パチンコ機は不調が続いている。品質についてどう考えているのか? あと、パチンコ機「Pバベル5000」で確認されている出玉率の問題は、意図したものだったのか?
- 当社の主力チームがパチスロに偏りがちであることは否めない
- 優先順位としてはパチスロ、という状態が続いている
- パチスロにおいて我々は、メダルを使用しない「スマートパチスロ」の投入をあえて遅らせている
- これは非常に難しい選択だった
- 業界では、スマートパチスロに対応したサンド(≒お金が投入されると自動でパチンコの玉やパチスロのメダルを貸し出す機械の通称)の部品調達が遅れている
- したがって、セガサミーさんと弊社という最大手2社が同時にスマートパチスロに取り組めば、サンドが足りず、両社とも十分な設置ができなくなってしまうと考えられた
- そこで我々が取り組んだのは、スマートパチスロに負けない機械をまず売ること
- 「沖ドキ!」などに力を入れたことで、非常に難しい課題をクリアできたと考えている
- いまはスマートパチスロに取り組む時期に入っている
- パチンコが非常に不調で、かつ問題あることも確かに事実
- 出玉に関するトラブルは、その要因を工場ふくめて調査している
- 意図して異常な出玉にすることはあり得ない
- スマートパチスロの対応が終わり次第、パチンコの性能・品質に力を入れなければならないと考えてはいた
オカダマニラについて
質問:一時占拠されたオカダマニラは、セキュリティの強化が必要なのではないか?
- 私どもは、法治国家において暴力的な奪還が起きることまでさすがに想定していなかった
- 一般的にカジノはかなりの現金が動く場所だから、完璧な防犯体制を敷いていたつもり
- しかし、軍隊に近いようなものが出てくるとは想定していなかった
- 現在は、フィリピンの警察と連携
- 警察庁の元長官も招き入れた
- 軍隊に近いものが来ても対応できる体制を敷いている
- フィリピンでは、許認可制ではあるものの銃の所持が許される
- 若干異常なくらいの体制を敷いておくことは必要なのではないかと考えており、しばらくは新たな強化体制を敷き続ける
オカダマニラについて
質問:中国本土からオカダマニラに来場する中国人のお客様は、どのくらい回復しているのか? あと、カジノ利用者からするとオカダマニラの食事サービスは不便なので改善してほしい
- もともとフィリピンは、同じようにカジノのあるシンガポールなどと比べると中国人の比率が少ない
- 中国人より韓国人のほうが多い
- これは長年、中国が国営放送などを通じて「フィリピンは危ない国だ」と宣伝してきたことによるもの
- しかし、じょじょに時代は変わって、いまはそういう放送をしているわけではないから、じわじわ中国人が増えてきている
- 今後は伸びしろがあると考えている
- 食事については、ミシュランクラスの優れた店舗を入れることにとても力を入れてきた
- ミシュラン以外のところに関しても、現場の工夫と努力で何とかするようによく注意したいと思う
オカダマニラについて
質問:先日公表になったリリースのなかで言及のあった「エリア開発を見すえている9.4haの土地」では、どういう相手と何を開発するのか?
- 不動産事業については、フィリピンの最高裁判所から結論が出るまで公開を控える方針
- 我々が前向きにとらえているものではある
- 具体的な計画については適切な時期に発表したい
当社の賃金とサービスについて
質問:転職サイトの情報を見ると、当社から提示されている年収は同じ大手の遊技機メーカーと比べて低く、人材獲得において課題があるように見える。従業員の賃上げは考えているのか? あと、スマートフォンアプリ「ユニメモ」のサービスは続けてほしい
- 弊社の問題として、一部の高度な技術者に頼りすぎている、そしてその結果、一部の人の報酬が高い反面、平均で見ると報酬が低くなっていることはたしか
- 今期については開発系でだいたい15%くらい、全体では10%くらいの賃上げになるのではないか
- 日本全体の賃上げを上回るくらいの対応をとる方針
- 「ユニメモ」はもっと違う形で拡大していく
- ご質問してくださった方にとって理想的な展開になっていくのではないか
- 先ごろ警察庁から出たルール改正のなかで大きいのは、携帯(電話)を含めた集客方法の緩和が盛り込まれていること
- このルール改正をフルに活かすと、店単位ではなくて、サンドそれぞれが携帯(電話)と対応できるようになっていく
- キャッシュレスのみならず、通販対応や顧客のデータベース化などいろいろなことができるようになる
- さまざまなことに対応したサンドが完成して供給できる体制になってからスマート系の機械を主力にしたいと考えている
- この業界は、携帯(電話)の恩恵にまったくあずかってこなかった
- これが、飲食業界やテレビゲーム業界のように携帯(電話)の恩恵にあずかれるようになると、計り知れないほどプラスに働くと我々は考えている
- 「ユニメモ」は、こういうなかに取り込まれて拡大していく
ナスダック上場について
質問:ナスダックに上場する必要性がいまいちわからないので説明してほしい
- ナスダック上場の目的は資金調達
- ただし、これひとつで資金を調達する計画だったわけではない
- また、日本の金融界にはカジノやIRを評価できる組織、人がいない
- アメリカにはそういう人脈がそろっている
- カジノやIRを評価できるプロがいる世界で、信用を得ることは長期的に見て意味がある
- ただ、上場しなきゃ絶対困るという話ではない
- そういう信用も得たほうがいいだろうという考え方
- 上場の手続きに関連して訴訟が起きたり、いろいろな問題はあるが、やろうと思えばいつでもできるよう準備をして、落ち着いた判断をしていきたい
- 実行したくても実行できないというのは会社にとってよくない
- ナスダックだけではなくて、フィリピン上場、シンガポール上場など全方位を見て「やろうと思えばできる」体制を整えていく
フィリピンの最高裁判所について
質問:フィリピンの最高裁判所から結論がいつ出るのか、わかればうかがいたい
- フィリピンの最高裁判所に関して、我々が予測することは非常に難しい
- 4月はフィリピンの行政が半月以上休みになる
- そのことから、「(結論が出るのは)5月かな」と期待はしてしまうが、時期について我々が断言することはできない
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株主総会
遊技機メーカーとして知られるユニバーサルエンターテインメント社と、その創業者である岡田和生氏に関わる一連のトピックを追いかけております。
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