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株主代表訴訟とは何か?

ここでは、会社の経営に関連して起きる訴訟のひとつ、「株主代表訴訟」についてまとめました。株主代表訴訟は、不祥事や不正行為が見つかった会社などで提起される訴訟であり、ユニバーサルエンターテインメントとも無縁ではありません。

[Point1]
どんなとき提起される訴訟なのか?

株主代表訴訟は、役員が不当な形で会社に損害を与えたとみなされる場合に、当該企業の株主から提起する訴訟です。

本来、会社の役員というのは、①取締役たちが業務に関わる重要な意思決定を担い、②そこから出てきた内容などについては監査役たちがチェックする、といった具合に、組織として機能するよう配置されています。言い換えれば、それぞれの役員には、それぞれの役割と責任が課されているわけです。

しかし、こうした組織は、常にあらゆる会社で健全に機能するとは限りません。なぜなら、組織だとかシステムというものは、問題を抑制する効果が期待できても、問題を完全に防ぐ効果まではなかなか期待できないためです。

たとえば、ある役員が、ほかの役員に隠れてこっそりとおかしな取引をするようなことは考えられるでしょう。防犯システムを導入した書店であっても、いまだに万引犯が出たりするように。そして、仮にそのおかしな取引が社内で見つかったとしても、ひょっとしたらほかの役員たちは見てみぬフリをするかもしれません。あるいは、何か処分を下したとしても、とてもやさしいものになるかもしれません。役員同士が同僚意識や上下関係によって、なあなあの関係になっていたりする会社なら、こういった展開は十分ありえます。

こういったとき、株主の立場から役員たちを追及するための手段になるのが、株主代表訴訟なのです。株主は、会社が被ったと考えられる損害を、訴訟のなかで役員たちに請求できる。この点がこの訴訟の特徴です。株主が会社の襟を正すための手段、とも言えるかもしれません。

株主代表訴訟の概略図1

[Point2]
どんなきっかけで起きるものなのか?

実際の現場では、どういったことがきっかけになって株主代表訴訟になるのか。この点はケースバイケースです。

ある会社では、役員たちが取引先から賄賂のようなものを受け取っていたと判明して訴訟になりましたし、また別のある会社では、子会社を買収した価格が不当に高いという理由から訴訟になりました。

要は、会社が不当に損害を被ったと主張できるだけの根拠さえあれば、株主代表訴訟ははじめられるということです。ただし、その根拠がたしかなものであると第三者にもわかるよう立証できなければ、当然株主は訴訟で勝てません。

参考までにふれておくと、当サイトで取り上げているユニバーサルエンターテインメントでも、これまでに何件かの株主代表訴訟が起きてきました。2020年10月現在も、2件の株主代表訴訟が進行中です。

[Point3]
誰が誰を訴える訴訟なのか?

どの株主代表訴訟も、株主が役員を訴えるという点は同じです。ただ、株主がどこまでの役員を訴訟の相手とするかという点は、訴訟によって異なります。問題のあった役員だけを訴えるケースもあれば、周囲の役員たちが適切に対処してこなかったと判断して、監査役もふくめたその他の役員までまとめて訴えるケースもあります。

なお、「訴訟を提起した株主の主張は根拠のないもの」と考えられるような場合、会社が役員サイド、つまり被告側に補助参加することもあります。




[Point4]
仮に株主が勝訴するとどうなるのか?

訴訟のなかで株主の主張が認められて、役員に損害賠償命令が下ったとしても、実際に賠償金を受け取るのは会社になります。訴訟をはじめた株主が賠償金を受け取るわけではありません。

株主代表訴訟の概略図2

これは、株主代表訴訟というものの性質に起因します。そもそも株主代表訴訟は、先にふれたように、あくまで株主が会社に代わって役員を追及するものです。ですから、賠償金を受け取る主体は会社になる、というわけです。株主は、「会社が賠償金を受け取ることで、会社のオーナーとして間接的な利益を享受する」という形になります。この点は、「AさんがBさんから突然不当に契約を打ち切られた」みたいな話の、単純な損害賠償請求訴訟と大きく異なるところです。


株主代表訴訟 (幻冬舎文庫)

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