訴訟と捜査の現場から

訴訟の舞台は韓国にまで拡大 岡田和生氏がさらに賠償の請求を受ける

ユニバーサルエンターテインメントは、韓国でも岡田和生氏に訴訟を提起していたようです。これで会社側が氏の問題行為を追及するのは、6カ国目。これまで岡田和生氏は、自分自身の不正や疑惑の類を一切認めていませんが、会社側は会社側で、氏の問題行為は何ひとつ見過ごすつもりはない、という腹づもりなのかもしれません。

この記事のあらすじ

  • 世界各国で岡田和生氏を追及しているユニバーサルエンターテインメントが、韓国でも訴訟を提起した
  • これまでの経緯を考えると、岡田和生氏は相当不利な戦いになる

岡田和生氏にとっては不利な戦いか

韓国ではじまった訴訟は、岡田和生氏が明かしたものです。氏は、日本において進む訴訟のなかで、この件にふれていました。自分はいま、アメリカ、フィリピン、韓国などの海外でも訴訟を抱えてることになっている、と。

氏が現地の代理人から受け取ったという書面によれば、韓国の訴訟は次のような内容になっています。

 

韓国ではじまった訴訟の概要
訴訟提起の日付 管轄の裁判所
2019年7月31日 仁川地方院
原告 被告
ユニバーサルエンターテインメントコリア 岡田和生
補足説明
この訴訟で岡田和生氏は、17万3562.23米ドルの賠償を請求されている。

 




韓国といえば、オカダホールディングスというプライベートカンパニーの借り入れが問題になった場所です。岡田和生氏は2014年に、オカダホールディングスが銀行融資を受けるにあたって必要になった担保をユニバーサルエンターテインメントの子会社に納めさせただけでなく、さらに融資の返済にあたって必要になった利息ぶん17万3562.23米ドルも、同じ子会社に負担させていました。

こうした融資の形だと、岡田和生氏が利益を得る一方、(不特定多数の株主がいる)ユニバーサルエンターテインメントグループは犠牲を払うという構図になるわけですから、利益相反行為になります。当時、社内にはこの点を指摘した役員がいたものの、岡田和生氏は社内で正規の手続きを経ることなく、ほかの役員の預かり知らぬところで、一部の部下に直接指示してこの融資を進めていました。

韓国ではじまった訴訟は、この融資の話が賠償請求の根拠になっているのでしょう。ユニバーサルエンターテインメントグループから岡田和生氏に請求している賠償の額が、融資の利息ぶんと同じ「17万3562.23米ドル」になっていることからいって間違いありません。




なお、融資と関係する一連の問題は、日本国内で進められてきた訴訟のなかで一応の決着を見ており、日本の裁判官はこの件について「岡田和生は不当な形でユニバーサルエンターテインメントの子会社に損害を与えた」「岡田和生に法律違反があった」といったニュアンスの結論を下しています。

こういう実績があるという点は、おそらくユニバーサルエンターテインメントにとって大きなアドバンテージです。岡田和生氏は相当不利な戦いを強いられると考えられます。



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