訴訟と捜査の現場から

「犯罪嫌疑は晴れた」と主張した岡田和生氏が目をそむけたい『不都合な真実』

「前科」を示す歴史

状況からいって強く疑われるのは、「釈放」という事実が捏造された可能性です。あたかも「岡田和生氏が無罪放免になったかのように演出された」、そう言い換えてもよいでしょう。

――「まさか」。多くの人は、そんなふうに受け取るかもしれません。しかし、岡田和生氏はこれまでもマスコミの取材に応じるたび、臆面もなくウソを繰り返してきたような人間です。自分にとって都合のよい話を世間に広く伝えるべくマスコミに仕向けていたとしても、それはいまさら驚くようなことでしょうか。

それに、ずっと古い話を掘り起こせば、岡田和生氏は実際にこれと似たようなことをやった「前科」があります

こちらをご覧ください。

これは、「合計およそ1億円の脱税」で、岡田和生氏とその関係先が宇都宮地裁で起訴されたことを伝える、栃木新聞の紙面(1981年3月19日付け)です。こののちの報道では、結局この件で岡田和生氏が「懲役1年、執行猶予3年」という判決を受けたこともわかっています。

岡田和生氏には1981年7月27日付けで、たしかに有罪判決が下っています。下記の判決文は、雑誌・政財界の2004年11月号に掲載されたものです。

岡田和生氏に有罪判決を下した旨つづった公文書

こういった過去の法令違反を知らなかった人からしたら、これだけでも十分驚くような話になるかもしれません。しかし、ここで「前科」として言及したいのは、この先で岡田和生氏がとった行動のほうです。なんと、氏はここからわずか数年後、米国・ネバダ州でゲーミングライセンスに関する審査を受けていたとき、この法人税法違反に関して実態と異なる説明を自分の代理人たちにさせたのです。「違反行為はあったものの、執行猶予がついたからこれは日本だと犯罪行為とみなされない」、そんなふうに。そしてこの結果、氏はあろうことか見事に規制当局の追及をかわし、同州が管理・監督するゲーミングライセンスの認可を勝ち取りました。

米国の規制当局から審査を受けていたときの様子については、議事録が残っています。また、当時の議事録を和訳したものはこの本で確認できます

以前、別の記事でもふれたように、米国でカジノに関連した業務を手掛けるのに必須となるゲーミングライセンスというのは、シビアな性質のものです。規制当局は、法令違反の経歴があるような個人や企業がゲーミングの世界に関わることを好みませんから、本来なら岡田和生氏のような存在が規制当局の審査をパスすることなんて、まず考えられないはずでした。

岡田和生氏は、この一件で自信を深めた可能性があるのではないでしょうか。自分に何か不利な事実があっても、それは包み隠せるのだと。だとすれば、繰り返し同じ手に頼るのも自然な成り行きでしょう。

今回は違う

もっとも、こうやって過去に通用してきたデタラメが今回も通用するかといえば、その可能性は極めて低いはずです。香港の法廷ではいまも訴訟が続き、このなかで岡田和生氏の手口はたしかに精査されているのですから。

きっと岡田和生氏としては、「アルゼゲーミングのオーナー」という立場と、そこから期待できるキャッシュフローを守るためにも、米国で取得済みのゲーミングライセンスを失効させるわけにはいかない、とでも考えていたのでしょうが、これまでの取り組みはせいぜい時間稼ぎに終わるのではないでしょうか。

この先どこかで訴訟の決着がついたとき、目が離せない展開になりそうです。これまで沈黙を続けてきたICACの動向も、ひとつ大きな見どころになるでしょう。

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