この記事は、ユニバーサルエンターテインメントおよび岡田和生氏に関連して、米国およびマカオと韓国で起きた訴訟をまとめたものです。これら3カ国で起きた訴訟は数が限られるため、ひとつの記事にまとめました。なお、ここに掲載した情報は、各国の報道や、裁判所のウェブサイトで公開されているデータなどをもとにしています。 ※最終更新日:2023年5月19日
訴訟(a) | 状況 |
損害賠償請求訴訟 | 係争中 |
原告 | 被告 |
ユニバーサルエンターテインメント | アルゼゲーミングアメリカ、 岡田和生 |
概要など | |
ユニバーサルエンターテインメントがアルゼゲーミングアメリカとそのオーナー・岡田和生氏を相手取って、2018年3月30日に提起した訴訟。アルゼゲーミングアメリカが、米国でユニバーサルエンターテインメントの特許を違法に使用していたという。また、この訴訟に関連する話としては、2019年9月にユニバーサルエンターテインメントから二次訴訟を提起した記録もある。
この訴訟は、2023年まで続くことがすでに視野に入っています。こちらの記事では、訴訟のスケジュールを取り上げました。
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訴訟(b) | 状況 |
特許侵害に関連して反訴 | 係争中 |
原告 | 被告 |
アルゼゲーミングアメリカ、 岡田和生 |
ユニバーサルエンターテインメント、 富士本淳ほか |
概要など | |
訴訟(a)に関連して、アルゼゲーミングアメリカ陣営からユニバーサルエンターテインメントおよびその社長・富士本淳氏などに対して反訴したもの。 |
訴訟(c) | 状況 |
弁護士の報酬に関して提訴 | 原告が取り下げ |
原告 | 被告 |
岡田和生 | Bartlit Beck LLPほか |
概要など | |
岡田和生氏と、米国の法律事務所・Bartlit Beckの間で起きたトラブル。氏はこの法律事務所を、米国のウィン・リゾーツ社とユニバーサルエンターテインメントが2018年初頭まで争っていた訴訟のなかで、個人的に雇っていた。トラブルの内容は、報酬をめぐるもの。法律事務所サイドが5000万米ドルを請求したのに対して、岡田和生氏は数百万米ドルに過ぎないと反論したという。なお、この訴訟は、最終的に2018年10月ごろ、岡田和生氏が自ら取り下げる形で決着している。岡田和生氏といえば、何が何でも勝つことに執着する性格。であるのに、自ら請求を棄却したというのは不可解と言える。何か裏があったのかもしれない。 |
訴訟(d) | 状況 |
不払いの報酬を求めて提訴 | 原告の勝訴で決着→取り立てへ |
原告 | 被告 |
Bartlit Beck LLPほか | 岡田和生 |
概要など | |
訴訟(c)のあと、米国の法律事務所・Bartlit Beckから岡田和生に対して提起した訴訟。弁護士報酬については、これに先立って両者の仲裁に入ったイリノイ州が法律事務所サイドの言いぶんを認めていたものの、岡田和生氏は支払いを拒否していたもよう。
この訴訟の経緯については、こちらの記事で取り上げています。
控訴審判決が出た時点で、岡田和生氏に課せられた賠償額は6300万米ドル超までふくらんだそうです。
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訴訟(e) | 状況 |
契約履行の請求 | 係争中 |
原告 | 被告 |
26 Capital Acquisition Corp | Tiger Resort Asiaほか |
概要など | |
米国ナスダック市場に上場する特別買収目的会社(=SPAC)の26Capitalが、ユニバーサルエンターテインメントグループを相手取ってはじめたもの。26Capitalはユニバーサルエンターテインメントグループに対して、オカダマニラの上場スキームに関連して結んだ合併契約を履行するよう求めている。 |
訴訟(f) | 状況 |
訴訟(e)に反訴 | 係争中 |
原告 | 被告 |
Tiger Resort Asiaほか | 26 Capital Acquisition Corp |
概要など | |
訴訟(e)にユニバーサルエンターテインメントグループが反訴したもの。合併契約の履行を求める26Capitalに対して、ユニバーサルエンターテインメントグループは合併契約の解消を求めている。 |
訴訟(g) | 状況 |
契約の白紙化を求めて提訴 | 係争中 |
原告 | 被告 |
ユニバーサルエンターテインメントほか | Zama Capital Advisors LPほか |
概要など | |
SPACを介した上場スキームに関連して結んだ、コンサルティング契約に端を発する訴訟。ユニバーサルエンターテインメントグループによれば、コンサルティング業務を委託したZama Capitalやその代表を務めるアレクサンダー・アイズマン氏などに、法律違反があったという。この訴訟でユニバーサルエンターテインメントグループは、コンサルティング契約の白紙化や、これまで支払った料金の返還などを求めている。 |
訴訟(h) | 状況 |
損害賠償請求訴訟 | 係争中? |
原告 | 被告 |
ユニバーサルエンターテインメント | アルゼゲーミングマカオ、 岡田和生 |
概要など | |
ユニバーサルエンターテインメントが、2018年5月14日に公表したリリースのなかで言及していたものを、便宜的にここに反映。このリリースでは、アルゼゲーミンググループに特許侵害があったとして、マカオでも追及する旨を表明していた。2023年5月時点では続報がないため、現況はわかっていない。ただ、マカオでは知的財産の侵害があった場合、税関に苦情を提出しなければならないようなので、おそらく水面下でこうした手続きは進められていると考えられる。 ※マカオにおける特許侵害の考え方は、「4. Using CUSTOMS to block counterfeits」を参照 |
訴訟(α) | 状況 |
損害賠償請求訴訟 | 一審判決は下る |
原告 | 被告 |
ユニバーサルエンターテインメントコリア | 岡田和生 |
概要など | |
2014年にあった、借り入れの問題に関連して提起された訴訟。
この訴訟の経緯については、こちらの記事で取り上げています。
この訴訟の一審判決については、こちらの記事でレポートしました。
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米国とマカオ、韓国以外の国で起きた訴訟については、こちらや下記の記事をご覧ください。 ユニバーサルエンターテインメントおよび岡田和生氏に関連して、香港で起きた訴訟をここにまとめました。なお、掲載した情報は、現地の報道や開示書面、別件の訴訟のなかで明かされた話などをもとにしています。 相 ...
【地域別】ユニバーサルエンターテインメント関連訴訟相関図【香港】