見事な転落劇、といったところでしょうか。26 Capitalとユニバーサルエンターテインメントグループの間で訴訟がはじまった当初は、26 Capitalがユニバーサルエンターテインメントグループに、「両者間で合意した契約に従って、オカダマニラの上場に必要な手続きを完了せよ」と迫る構図にありましたが、あとになって状況は一変しました。2023年9月に、裁判所が26 Capitalの訴えを退け、「オカダマニラ上場」の破談が決定的になると、今度は26 Capitalとその関係先などに対する提訴が相次ぐようになったのです。
下記に並べた訴訟が、その一覧です。 ※最終更新日:2023年11月10日
訴訟の構図
a |
訴訟がはじまった時期 |
2023年9月 |
場所 |
デラウェア州裁判所 |
原告 |
Schulte Roth & Zabel |
被告 |
26 Capital Acquisition Corp |
訴訟の概要 |
請求内容のイメージ下記の記事の終盤では、Schulte Roth & Zabelと26 Capitalの関わりについて少々取り上げています。
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b |
訴訟がはじまった時期 |
2023年9月 |
場所 |
ニューヨーク州裁判所 |
原告 |
Matthew Katzeff |
被告 |
SpringOwl Asset Management / SpringOwl Associates / 26 Capital Acquisition Corp / 26 Capital Holdings / Jason Ader |
訴訟の概要 |
十分なスポンサー株式はあったのか? 「オカダマニラ上場」が実現したら、成功報酬として26 Capitalのスポンサー株式を配分する――。26 Capitalを率いるJason Ader氏は、こんな見返りをMatthew Katzeff氏に約束していたようであるものの、そもそもMatthew Katzeff氏に配分するためのスポンサー株式が存在したのか、この点からして疑わしい。なぜなら、Jason Ader氏は2021年7~11月までの間に、Zama CapitalとRimu Capitalというふたつの主体と契約を交わした上で、26 Capitalのスポンサー株式をすでに売却していたためだ。 Jason Ader氏による26 Capitalのスポンサー株式売却については、下記の記事で詳しく取り上げています。彼の行動は、秘密裏のものでした。
なお、Matthew Katzeff氏の訴状によると、26 Capitalのスポンサー株式がZama Capitalに渡ったことは、まもなくJason Ader氏から知らされていたものの、残りのスポンサー株式がRimu Capitalに渡ったことについてはずっと知らされてこなかったそう。彼は、Rimu Capitalにスポンサー株式が渡っていたことを知ったタイミングについて、「2023年5月」「26 Capitalとユニバーサルエンターテインメントグループが争う訴訟において、当事者として尋問を受けるなかで」と述べた上で、「真実を知るまでAderを疑う理由はなかった」と説明している。Matthew Katzeff氏もまた、Jason Ader氏によって手玉にとられた犠牲者の1人なのかもしれない。 |
c |
訴訟がはじまった時期 |
2023年11月 |
場所 |
デラウェア州裁判所 |
原告 |
Zama Capital Master Fund |
被告 |
Jason Ader / 26 Capital Holdings Corp |
訴訟の概要 |
Zama CapitalのAlexander Eiseman氏と、26 CapitalのJason Ader氏が手を組んでいた件については、下記の記事で取り上げています。
「Managing Member」とは? この訴訟で解任云々の焦点になった「Managing Member」とは、LLC(=Limited Liability Company/有限責任会社)の経営に参画するメンバーのこと。ナスダックに上場していた26 Capital Acquisition Corpは、26 Capital Holdings LLCからスポンサードされて設立されたSPACであり、設立主体にあたる26 Capital Holdings LLCを Jason Ader氏がひとりで統括するという構造になっていた。 26 Capitalの設立と上場のイメージ
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d |
訴訟がはじまった時期 |
2023年11月 |
場所 |
デラウェア州裁判所 |
原告 |
Rimu Capital Ltd |
被告 |
Jason Ader / 26 Capital Holdings Corp |
訴訟の概要 |
Rimu Capitalが26 Capital Holdingsに出資することになった経緯については、下記の記事で取り上げています。Rimu Capitalは、半ばだまされるようにして2500万米ドルを支払わされたようです。
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ユニバーサルエンターテインメントグループと直接関連するような訴訟については、こちらの記事で一覧にしています。
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【情報メモ】「オカダマニラ上場」に関連した訴訟一覧
ユニバーサルエンターテインメントグループと26 Capitalの間で結んだ契約にもとづき進めていくはずだった「オカダマニラ(を擁するIRリゾート事業)の米国上場」に起因してはじまった訴訟。それらをここ ...
この記事をまとめるにあたって参考にした資料
- デラウェア州の裁判所が公表した各種書面
- ニューヨーク州の裁判所が公表した訴状
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